【医師監修/ホクト株式会社協賛】認知症予防のための食事改善ガイド » ヤマブシタケと認知症予防

ヤマブシタケと認知症予防

高い認知症予防効果があるとされ、ホクト株式会社が研究を進めているヤマブシタケ。このキノコに含まれる認知症予防によいとされる成分と、上手な摂取方法について、ホクト株式会社の研究員である森さんにきいてみました。

ヤマブシタケってどんなキノコ?

ホクトロゴ研究員 森さんからのコメント

〇〇医師

ホクト株式会社
研究員:森さん

認知症予防の分野で注目を集めるキノコ

ヤマブシタケとは、中国・北米・日本に分布しているササンゴハリタケ科サンゴハリタケ属の食用キノコの一種。ヤマブシタケには豊富な栄養素が含まれており、ホクトでも研究を進めているキノコの1つです。

大きさは直径5~10cmほどが一般的。真っ白な針が垂れ下がったようなカサや柄のない球状のキノコで、触るとふわふわと柔らかいのが特徴です。中国においては歴代皇帝が探し求めた珍味であり、400年も前から食されているそうです。

認知症予防で注目されるヤマブシタケの成分

そんなヤマブシタケには、実に豊富な栄養素が含まれています。その種類は、タンパク質・炭水化物・脂質・食物繊維・ビタミン(B1・B2・B6・B12)・カルシウム・ミネラル類。多糖類のひとつで抗腫瘍作用が期待されるβ-D-グルカンや、アミノ酸についても16種類含まれています。

さらに、認知症予防効果があるとして注目されている成分、ヘリセノンが含まれていることも特筆すべき特徴です。

ヤマブシタケの認知症に対する効果

ヤマブシタケに含まれる「ヘリセノン」は、人間をはじめとする動物の記憶力・学習機能のネットワークに必須となる成分。天然のヘリセノンはヤマブシタケにしか含まれない固有のものであり、認知症予防・改善に高い効果があるとして近年注目を集めています。

ヘリセノンには、脳のニューロン(神経細胞)が消失するのを防ぐ働きがあると考えられています。ニューロンは脳内の神経伝達を行っている細胞で、ひとつひとつが突起のようなものを伸ばして情報を伝達しています。しかし、ニューロンは加齢と共に数が少なくなり、徐々に情報伝達能力が低下。アルツハイマー型認知症などの原因となるのです。

神経成長因子(NGF:Nerve Growth Factor)とは

脳は主に神経情報の伝達の役割を持つ「神経細胞」と、神経細胞を助ける働きをする「グリア細胞」から構成されています。グリア細胞は、神経細胞の生存や再生などに関わる「神経栄養因子」を作り出すことによって、神経細胞の働きを助けています。

この神経栄養因子にはさまざまな種類がありますが、中でも最も研究が進められているのが「神経成長因子(NGF)」。ただし、このNGFは高分子タンパク質であり、経口摂取しても分解されてしまうため脳に到達しません。そこで、神経細胞の働きを助ける「NGF合成を促す成分」に注目が集まっている、というわけです。

ヤマブシタケに含まれる成分・ヘリセノンは、この神経成長因子に栄養分を活性化してくれます。その結果、神経成長因子の合成が促進されてニューロンの消失を防げるといわれており、ヘリセノンの摂取によって、知的機能へ与える影響などの研究が行われています。

認知症への臨床試験などのデータ

ヤマブシタケの摂取で知的機能がアップ

これは、ホクト株式会社が独自に開発したヤマブシタケ(新品種妙効一号菌、農林水産省品種登録出願済)の乾燥品を用いた知的機能の評価テストです。ヤマブシタケの乾燥品をボランティアに摂取してもらい、摂取前後の知的機能を長谷川式簡易知能評価スケール(30ポイント満点、20ポイント以下で認知症の疑いアリ)で調べました。

その結果、ヤマブシタケの摂取前後で有意な効果を確認することができ、最終的には最高で6ポイントも点数が上がった人もいたとのことです。ただしヤマブシタケは品種ごとに成分の含有量が異なるため、すべてのヤマブシタケで同様の結果が出るとは限りません。
参考元:教えて認知症(http://www.ninchisho.jp/yamabushitake/04.html)

ヤマブシタケで認知症患者の自立度が向上

これは、介護保険対応型療養病床に入院中の高齢障害患者を対象とした臨床データです。この調査では、6ヶ月間にわたり乾燥ヤマブシタケ(5g)を加えた味噌汁などを平均年齢75歳の患者50人に与え、ヤマブシタケを与えない患者(平均年齢77.2歳の50人)と比較。

その後、自立度を測る国際的評価基準FIM値を計測したところ、ヤマブシタケを食べた50人の中の認知症患者7人の自立度がアップ。要介護度5とされていた3人の患者が、要介護度4に改善するという結果を得られました。
参考元:笠原浩一ら、ヤマブシタケの高齢障害者への効用.群馬医学別冊2001,77-81(http://www.ninchisho.jp/yamabushitake/03.html)

含まれている成分/理想的な摂取量

ヤマブシタケには、タンパク質・脂質・炭水化物といった三大栄養素のほかに、16種類のアミノ酸・ミネラル・ビタミン・食物繊維などが豊富に含まれています。

このヤマブシタケの理想的な摂取量ですが、明確な量は定められていません。

ちなみに医療法人水嶋クリニックの水嶋院長によれば、1日2gの乾燥ヤマブシタケを認知症の患者さんに2ヶ月間摂取してもらったところ、長谷川式簡易知能スケールのポイントが0点から8点まで改善したケースもあったとのことです。
参考元:教えて認知症(http://www.ninchisho.jp/yamabushitake/07.html)

ヤマブシタケの認知症以外の可能性

ヤマブシタケは認知症への働き以外にも、さまざまな可能性を持っていると考えられているキノコです。例えば、老化を引き起こすとされる活性酸素の除去を助ける抗酸化作用や、免疫を調整する機能、メタボリックシンドロームの予防効果などが期待されています。

活性酸素の除去をサポート

活性酸素は、体内に侵入してきた異物を攻撃・破壊する役割を持っているため、本来人間の体には必要なものです。栄養素をエネルギーに変換する際や、最近やウイルスを排除する際に発生するものでしますが、この活性酸素が体内で増えすぎてしまうと、逆に体に良くない影響を与えてしまうと考えられています。

私たちの体では、もともと活性酸素が増えすぎないようにするための「SOD(スーパー・オキシド・アィスムターゼ)」という物質が作られています。しかしこのSODの生産量は歳を取るごとにだんだんと減少していく上に、人工的に生成することができない物質であるため、徐々に体内で発生し続けている活性酸素に対応することが難しくなっていきます。

ヤマブシタケに多く含まれるSOD様物質

ここで注目されるのが、SODと似た働きをする「SOD様物質」と呼ばれる物質。嬉しいことに、このSOD物質は食事によって摂取することが可能という特徴を持っており、ヤマブシタケは全ての食品の中でも群を抜いてSOD様物質が含まれていることがわかっています。

このことから、ヤマブシタケは体内の活性酸素に対抗する強い抗酸化作用を持つ食品として期待されています。

参考元:教えて!認知症予防(http://www.ninchisho.jp/yamabushitake/04.html)

免疫の調整

近年、きのこから「β-D-グルカン」と呼ばれる物質が発見されました。このβ-D-グルカンとは、人が持つ免疫力を高める働きがあるといわれている物質です。

近頃「免疫力」という言葉を耳にすることが多いと感じる方も多いでしょう。免疫力とは病気と戦う力のことであり、人間の体にもともと備わっているものですが、年を取るにつれてだんだんと衰えていきます。また、ストレスや喫煙、運動不足、不摂生なども免疫力低下に関わるとされており、免疫力の低下により外から体内に侵入するウイルスや体内で発生した病気と戦うことができなくなっていきます。

ここで注目されているのがβ-D-グルカンですが、人間の体の中では作り出すことができないとされているため、食品から摂取する必要があります。ヤマブシタケにはβ-D-グルカンが豊富に含まれていることから、免疫力を高める働きが期待されています。さらに、免疫力が高まりすぎている場合には調整を行う「免疫機能調整効果」があることもわかっています。

参考元:教えて!認知症予防(http://www.ninchisho.jp/yamabushitake/04.html)

メタボリックシンドロームを防ぐ

東北大学大学院薬学研究科 平澤典保教授との共同研究によると、ヤマブシタケによってメタボリックシンドロームを予防できる可能性があることが明らかになっています。

乱れた食生活や運動不足により体内に脂肪がたまると、脂肪組織では炎症が起こります。この脂肪組織での炎症は代謝の異常を引き起こしてしまい、メタボリックシンドロームのさまざまな症状(糖尿病や脂質異常症、高血圧症など)を引き起こす原因となることがわかっています。

このことから、ヤマブシタケの抽出成分を脂肪組織に与えることにより、炎症の度合いにどのような影響を与えるのかという実験が行われた結果、炎症の指標を表す「TNF-α」の量が減少するという結果が得られました。

このように、ヤマブシタケは生活習慣業の予防にも役立つ食品ということがわかっていますが、有効量のヤマブシタケを毎日摂取し続けることは難しいと言わざるを得ません。そのため、日常的に摂取することを目的として、サプリなどを用いることがおすすめといえるでしょう。

参考元:教えて!認知症予防(http://www.ninchisho.jp/yamabushitake/15.html)
参考元:東京農業大学(http://www.nodai.ac.jp/teacher/107590/2014/1/1404.html)