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前頭側頭型認知症

比較的若い世代に見られる前頭側頭型認知症の原因と初期症状の特徴、その予防法についてまとめました。

前頭側頭型認知症とは

前頭側頭型認知症とは、脳の前頭葉と側頭葉が萎縮することによって起こる認知症。脳の萎縮で血流が滞り、行動異常をはじめとするさまざまな症状がみられるようになります。

発症における性差はほとんどありませんが、他の認知症に比べると若年層で発病するケースが多め。65歳未満で発症する若年性認知症のひとつとされており、2015年に指定難病認定されています。

前頭側頭型認知症の原因

前頭側頭型認知症は神経変性による認知症で、アルツハイマー型ではないというのが前提。なかでも神経細胞のひとつであるピック球が認められるものはピック病と呼ばれ、前頭側頭型認知症のひとつとされています。

発症の原因としては、タウたんぱく・TDP-43・FUSといった異常タンパク質の蓄積が考えられます。これらのタンパク質が脳の神経細胞に蓄積すると、前頭葉や側頭葉が萎縮。血流が滞ることで機能が低下し、症状が現れるとされています。しかし、このような変化が起こるメカニズムについてはまだ判明していません。

遺伝性についてですが、国外では3~5割の患者に家族歴が認められていますが、国内においては遺伝との関連性はほとんどないとのことです。

前頭側頭型認知症の初期症状

前頭側頭型認知症の初期症状では、他の認知症に見られる物忘れ・失語といった症状はあまり見られません。特徴的な症状として挙げられるのは、人格の変化をはじめとする「行動異常」。そのため認知症ではなく精神疾患と思われることが多く、発見が遅れるケースも少なくありません。

行動異常

前頭側頭型認知症の初期に見られるのは、「状況を考えず自分勝手な行動をする」「周りの人への配慮ができない」「ルールを守れない」といった行動異常。万引きや痴漢など、反社会的な行動が多くなることもあります。

自発性の低下

自分の意思で何かに取り組んだり、他人に興味を持つといった姿勢が見られなくなります。たとえば「家事をしなくなる」「家にひきこもる」「ボーッとして何もしない」「質問に対して真剣に答えない」といった症状です。

どのような予防手段が考えられるか

前頭側頭型認知症は発症のメカニズムが判明していないため、治療法・予防法についてもまだ確立されていません。しかし、他の認知症と違って「記憶力」や「日常生活の動作」はある程度維持されるため、周囲のサポートで行動を適切にコントロールできれば、生活の質を保つことができると考えられます。

ただし前頭側頭型認知症は65歳未満と若い世代で発症するケースが多く、行動異常といった特徴的な症状が見られることからも、そのサポートはかなりの負担。専門医や福祉サービスといったものを活用し、家族だけで負担や問題を抱え込まないようにすることが大切です。

前頭側頭型認知症で予防に取り入れたい成分

フェルラ酸

フェルラ酸とは、さまざまな植物に含まれているポリフェノールのひとつ。熊本県菊池病院の木村医師からの報告によれば、このフェルラ酸を含むサプリメントを患者に摂取してもらったところ、前頭側頭型認知症・レビー小体型認知症の周辺症状(イライラ・焦燥・幻覚・不安感など)の改善効果が見られたとのことです。
参考元:一般社団法人日本アルミニウム協会(https://www.aluminum.or.jp/aluminum-hc/p_2/pdf/20151114/02.pdf)

ビタミン類やポリフェノール

脳をはじめとする体の機能を正常に保つには、バランスのよい食事が大事。そのために不可欠なのが、野菜や果物に含まれるビタミン類・ポリフェノールです。なかでも高い抗酸化作用を持つビタミンC・ビタミンE、緑黄色野菜に含まれるβカロテン、トマトに含まれるリコピンなどを積極的に摂るとよいでしょう。

記事の監修医 豊田早苗 医師
(とよだクリニック認知症予防センター長)

豊田医師

認知症治療薬は効果を示さない場合が多い

前頭側頭型認知症は、65歳以下の若い年代に発症することが多いうえ、物忘れではなく、暴力的な振る舞いや万引きなどの反社会的行為が認められるようになるため精神疾患と間違われ、発見が遅れることが多い認知症です。
ですが、言われた言葉を何度も繰り返す(おうむ返し)、好きだった食べ物が嫌いになるなど精神疾患ではあまり認められない症状もあり、様子をじっくり観察することで見わけることができます。
また、前頭側頭型認知症では、アルツハイマー型認知症などで使用される認知症治療薬は全く効果を示さないことが多く、行動異常や衝動性を抑えるために抗うつ剤や抗精神病薬が使用されるのが一般的です。

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