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低栄養と認知症

低栄養になって脳が栄養不足の状態になると認知症のリスクが高まります。高齢者の3割近くが低栄養状態の現状や食事による認知症予防など、低栄養と認知症の関係についてまとめました。

(※この記事は医師監修の記事ではありません。)

栄養不足と認知症の関係

人間の動きを司る役割を担う脳は、人間のあらゆる器官の中でも活発に働いている器官です。脳のエネルギー源として最重要となるのがブドウ糖で、糖質が不足し脳の栄養が不十分になると介護が必要なロコモティブシンドロームの危険性が高くなるなど、体中のあちらこちらが深刻な状態に陥りかねません。認知機能の低下を招き、認知症のリスクも高まります。ただし、糖質が不足した場合は脂肪を用いて脳のエネルギー源となるケトン体が産生されます。とはいえ、ケトン体は緊急用のエネルギーともいえるもので、脳が元気に働くためには、本来のエネルギー源であるブドウ糖がキチンと供給されることが必要不可欠です。

東京都健康長寿医療センター研究所のチームが行った高齢者に対する調査によると、鉄分、脂質、タンパク質の数値が低い低栄養の状態では認知症のリスクがハッキリと高いことがわかりました。血液検査でそれぞれに対応する赤血球とHDLコレステロール、アルブミンの値を高中低に分けて調査したものです。
参照元:東京都健康長寿医療センター研究所HP(https://www.tmghig.jp/research/topics/201502/)

低栄養ではない状態に比べて約2倍ものリスクが示されたことで、少なくとも高齢者の栄養不足は認知症と大きく関係していると考えられます。

高齢者の3割近くが低栄養状態

高齢者の栄養不足は認知症のリスクが高いと述べましたが、高齢者の3割近くが低栄養状態だとする説もあるなど深刻な状況です。高齢者が低栄養になる背景にはいくつかの要因があります。

加齢による食事量の低下

人間は年齢とともに食べる量が減ります。無理に食べようとしても食べられません。少ない食事量でもバランスのよい食生活であれば低栄養の心配はないでしょう。しかし、消化吸収能力が低下し、食欲まで湧かなくなってくると十分な栄養を摂取できるだけの食事が困難になることもあります。好きなものだけを少し食べたら満腹になってしまうというケースも珍しくありません。結果的に低栄養状態につながります。

加齢による咀嚼力などの低下

加齢による身体能力の衰えは咀嚼力や嚥下力にも影響を及ぼします。うまく噛めないから食べなくなるケースや、飲みこみにくいため食べるのが嫌になるといった状態です。咀嚼力や嚥下力が低下することで、食材の味を楽しむことが難しくなってしまえば、余計に食事への意欲が低下することも考えられ、低栄養状態に向かいます。

食事の準備ができなくなる

家族で暮らしていたときは食卓に料理を並べて食事をしていたものの、独居になって食事作りが面倒になるケースや、誰もいないのに手の込んだ料理をしても仕方がないと思い簡単に済ませるケースは少なくないようです。

また、料理を作る気はあっても身体がついていかないといったケースや、食事の準備をしていた配偶者がいなくなったが、そもそも自分は料理ができないといったケースもあります。高齢者が栄養バランスのよい食事を作ることは、想像以上に難しいことだともいえます。そのままでは低栄養状態になっても不思議ではありません。

認知機能の低下が栄養不足を招くケースも

栄養不足から認知機能の低下を招くのとは反対に、認知機能の低下が栄養不足を招くケースがあります。認知機能の低下度合いによって生じるのが以下のような状況です。

食事をすること自体が難しくなってしまい、栄養不足が現実のものとなる状況です。

食事による認知症予防

低栄養が認知症のリスク要因であることから、食事による認知症予防が考えられます。早い段階からしっかりと必要な栄養を摂取できる食事の実践が重要です。

おすすめの食材

低栄養によるエネルギー不足を補える食材や腸内環境を整えることで認知症リスクを軽減する食材をおすすめします。

  • ニンジンやほうれん草、ゴボウなど水溶性食物繊維が豊富な野菜
  • タマネギやニンニクなどオリゴ糖を含んだ野菜
  • 海藻類
  • キノコ類
  • バナナなどの果実
  • 中鎖脂肪酸が入ったMTCオイル

MTCオイルは低栄養で脳のエネルギーとなるブドウ糖が不足したとき、前述したもうひとつの脳のエネルギー源となるケトン体を産生する際に役立つ中鎖脂肪酸のオイルです。

注意点

食事による認知症予防を行う際は、特定の食材にこだわり過ぎると逆効果になるおそれがあります。毎日の食事で食べる食材の種類が多い人に比べて、少ない人は老化が進みやすいともいわれており、いろいろな食材をバランスよく食べることが重要です。また、食べやすいように工夫することも重要で、単独では難しい高齢者の場合は周囲にいる人の協力が望まれます。

まとめ

低栄養で脳のエネルギーが不足することで起きる認知機能の低下と、認知機能の低下が栄養不足を招くといった悪循環に陥らないためには、早期の認知症予防が重要です。効果的とされる食材も含めて、偏りのない食生活を送りましょう。

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