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認知症と塩分の関係とは?

この記事では、塩分と認知症の関係についてご紹介しています。塩分過多の食生活は健康面に悪影響を及ぼしますが、認知障害を促進させる可能性があるという報告もあります。そこで、塩分や高血圧がどのように認知症と関連しているのか、また減塩を意識した食生活を送るにはどのような対策方法があるのかをまとめました。(※この記事は医師監修の記事ではありません)

塩分と認知症の関係

塩分の摂取量は、健康を維持するために注意しなければいけない重要なポイントです。特に心臓血管系の健康に関わる部分として意識している方も多いかもしれませんが、認知症を予防するという観点からも塩分の摂取量に注意することが重要と考えられています。塩分の過剰摂取は血管に大きな影響を与えますが、高血圧は血管性認知症のリスクを高めるといわれています。

塩分は認知障害を促進させる

毎日の食事で塩分を過剰に摂取してしまうと、高血圧のリスクが上がることが知られています。これは、血液の浸透圧を一定に保とうとして起こる働き。浸透圧を保つために血液中の水分が増えることで体内の血液量を増やそうと体が働き、その結果として血圧が上がるのです。高血圧と認知症の関係として、2018年にはイタリアのローマ・ラ・サピエンツァ大学での研究により、高血圧の患者の場合、認知症にかかるリスクが高いことが発表されています。

ただし、塩分の過剰摂取による高血圧だけが認知症のリスクを高めているわけではなく、アメリカのワイルコーネル医科大学では、マウスの実験を通じて「塩分の過剰摂取が大脳の血液や血管内皮機能をすることにより、認知機能障害を引き起こす」ということを示しています。この研究結果は、2018年に学術雑誌である「ネイチャー・ニューロサイエンス」にて研究論文として発表されています。

この研究論文では、塩分の過剰摂取によってTh17細胞(組織免疫、炎症応答に置いて重要な役割を果たすとされている細胞)が小腸で増殖し、インターロイキン17が大量に生成。その結果インターロイキン17が体内へ循環されて認知機能障害を促すことになると結論づけています。

高血圧が認知症を引き起こすケースも

高血圧は認知症のリスクを上昇させると考えられています。高血圧は、肥満や運動不足、飲酒の習慣など非常に幅広い要因が重なり合って起こりますが、すでに説明した通り、塩分の過剰摂取は高血圧につながることが知られています。

高血圧の状態が続くと、血管内は常に血液が流れる量が増えた状態となり緊張状態が続くことで、血管がしなやかさを失って動脈硬化の状態に繋がっていきます。この状態が進行していくと、血管が脆くなることで脳出血などの脳血管疾患を引き起こすことも。このような流れがあることから、高血圧は脳血管性認知症の発症リスクを上昇させると考えられています。

塩分の適切な摂取量

高血圧を予防するためには、まず塩分の適正な摂取量について知る必要があるでしょう。

日本の食事摂取基準(2015年版)によると、男性の食塩摂取量の目標量は「1日あたり8.0g未満」、女性の目標量は「1日あたり7.0g」となっています。この数値は2010年の目標値よりも厳格化されており(2010年は男性が1日あたり9.0g、1日あたり女性が7.5g)、より塩分の摂取量に注意する必要があるといえるでしょう。

ちなみに、普段口にしている食品にどれくらい塩分が含まれるかというと、しょうゆ大さじ1杯には2.7g、みそ大さじ1杯あたり2.2g。また、ラーメン1杯あたり6.0g、味噌汁1杯あたり1.9gの塩分が含まれているとされています。このことから、食塩摂取量の目標を達成するのは難しいことと言えそうです。

塩分摂取量を減らすための工夫

とはいえ、やはり塩分の取りすぎには注意したいものです。塩分はさまざまなものに含まれており、しょうゆやみそといった調味料はもちろん、各種加工品やお惣菜、インスタント食品など、私たちの周りにある様々な食品に含まれています。このことから、「塩分を全く摂らない」というのは現実的ではないので、過剰摂取にならないように日々の食生活の中で注意することが必要になってきます。

そこで有効と言われているのが、調味料を工夫すること。酢やレモンなどを使う、出汁の旨味を活かした献立にするといったことに取り組んでみましょう。

加えて、カリウムなど塩分を体外に排出する作用がある食材を意識して摂ることも意識してみてください。ただし、腎臓機能が低下している場合にはカリウムの摂りすぎに注意する必要がありますので、かかりつけ医に相談してみてください。

まとめ

健康を保つためには、日々の食事の中で塩分を摂りすぎないことも大切です。そのためには、今どれくらいの塩分を摂っているのかを把握することが大切。そして塩分控えめの食生活を心がけましょう。最近多く販売されている、減塩の商品をうまく使っていくのも良いですね。

日々の食生活を急激に変えるのは難しいことかもしれませんが、徐々にできるところから取り組むことによって塩分の摂取量を減らしていくことができるはずです。

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