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ケトフレックス12/3(リコード法)

ケトフレックス12/3(リコード法)は認知症の改善や予防に役立つ手法として注目を集めている食事法です。ケトフレックス12/3について、注目される理由や食事内容、注意点などを解説しています。

(※この記事は医師監修の記事ではありません。)

認知症予防で注目されるケトフレックス12/3(リコード法)とは?

認知症予防で注目されるケトフレックス12/3とは、2014年にアメリカで症例報告が行われたアルツハイマー型認知症に対する新しい治療法であるリコード法で用いられる食事法のことです。

リコード法では、アルツハイマー型認知症に対し、食事のほか運動、睡眠、ストレスケア、脳トレの5つを主軸とする生活習慣改善プログラムを患者ごとにオーダーメイドで作ります。ケトフレックス12/3も、食材や食事の内容など細部では患者に合わせて献立されることになります。

ケトフレックス12/3の基本は食事の時間、間隔です。ケトフレックス12/3という呼び名は3つに分解できます。「ケト」と「フレックス」と「12/3」です。ケトはケトン体のケトで、ケトン体を作れる体内環境を意味し、フレックスは血糖値の上昇を抑える菜食中心の食事を指します。そして、オーダーメイドにはならない基本部分が12/3です。

12は前日の夕食から朝食までの時間を12時間とることを意味しています。この間は何も食べないことが重要です。3は就寝3時間前までには夕食を済ませておくことを示しています。つまり、空腹の時間をしっかりと作ることがケトフレックス12/3における重要なポイントです。食事間隔は細胞の浄化に影響します。

ケトフレックス12/3(リコード法)が認知症予防に効果的とされる理由

ケトフレックス12/3が認知症予防に効果的とされている理由は、食事の間隔を空けると同時に糖質制限を行い菜食中心のメニューにする点にあります。

リコード法は、アルツハイマー型認知症の原因とされている物質、アミロイドβの増加原因にアプローチする治療法です。アミロイドβは神経障害の要因に対する防御反応として蓄積されるため、アミロイドβの増加を抑え込むためには、アルツハイマー型認知症のタイプ別に防御反応を引き起こす要因対策を行う必要があります。

リコード法でアルツハイマー型認知症を分類したとき、炎症性、萎縮性、毒物性、糖毒性、血管性、外傷性の6タイプとなり、そのほとんどが栄養状態や高血糖、高血圧など食事との関連性の高いものです。

ケトフレックス12/3による食事習慣の改善により防御反応を引き起こす要因が取り除かれれば、アミロイドβの増加蓄積も阻害されます。必然的に、発症前にケトフレックス12/3の食事法を採り入れることが、アルツハイマー型認知症の予防につながると考えられるわけです。

具体的な事例としては以下の記事が参考になります。

"今野院長のクリニックでは、これまでにリコード法を実施した100人を超えるAD患者のうち、治療継続中の8割以上で症状の改善が見られたという。例えば、94歳の女性(サブタイプは炎症性、萎縮性、糖毒性)では、糖毒性に対して糖質制限食を導入しつつ、肥満指数(BMI)の低さを考慮してココナツ油によるカロリー摂取量を増やした。サプリメントはビタミンB群、ω3脂肪酸などを摂取し、1回45〜60分の有酸素運動を週4〜5回行い、睡眠時間は8時間と設定した。また、20分間の脳トレを日課とした。

 その結果、血液検査のデータにおいて炎症、インスリン抵抗性などの改善が見られた。Mini-Mental State Examination(MMSE)による認知機能検査では、治療開始時の22点から4カ月時では26点に上昇(改善)、記憶力に問題がない時間が増え、自覚症状も改善した。家族からも、「以前より反応が少し良くなった」(2カ月後)、「以前は分からなかった、"自分が変だ"と認識できるようになった」(3カ月後)といった報告が寄せられた。"
引用元:Medical Tribune アルツハイマー病治療で注目の「リコード法」とは(あなたの健康百科編集部)(https://medical-tribune.co.jp/kenko100/articles/190829529595/)

今野院長とは、日本でリコード法の治療や検査を実施しているブレインケアクリニック院長である今野裕之医師のことです。

このデータには、糖質制限やココナツ油の活用、サプリメントによる栄養補給などケトフレックス12/3の効果を考えるうえで重要な要素が詰まっています。また、運動や睡眠、脳トレといった要素も記されており、リコード法全体としての事例としても貴重なデータです。このデータからは、ケトフレックス12/3がリコード法を構成する食事法として大きな役割を果たしていることがうかがえます。

ケトフレックス12/3(リコード法)を取り入れる際の注意点

ケトフレックス12/3のポイントは、糖質制限と食事間隔の確保です。食事の中心は菜食となります。

ただし、野菜を多く食べればよいというものではありません。ケトフレックス12/3が目指すところから離れてしまわないよう、ドレッシングのかけ過ぎなど調味料や調理法などにも注意が必要です。また、野菜には糖質を多く含むものもあり、個々の野菜の成分にも気を配る必要があります。

もう一点、過剰な糖質制限には注意が必要です。糖質を摂りすぎるとケトン体の産生に悪影響が出ます。しかし、糖質を制限しすぎると健康を損ねる可能性があります。ケトフレックス12/3の実践に当たっては、健康状態のチェックが欠かせません。

ケトフレックス12/3(リコード法)に使われる食材

ケトフレックス12/3には野菜のほか脂質、タンパク質を多く含む食材が使われます。

  1. キャベツなどの葉物野菜
  2. その他の野菜
  3. 果実
  4. キノコ
  5. 海藻類
  6. 青魚
  7. エゴマ油
  8. ココナッツオイルなど

前述のように、野菜の中でも糖質を多く含むものや果実は控えめに摂取します。

ケトフレックス12/3(リコード法)で注目したいMCTオイル

MCTオイルは中鎖脂肪酸で作られた消化吸収に優れたオイルです。

脳のエネルギー源としても優秀で、満腹感があり体脂肪率にもほとんど影響しないといわれています。ただし、遺伝子によっては不向きとされているため注意が必要です。

まとめ

ケトフレックス12/3は認知症の改善だけでなく予防法としても期待が高まる食事法といえます。ただし、リコード法の一部を担うものです。認知症予防を考えるなら、ケトフレックス12/3単体での実施よりもリコード法全体としての取り組みが望まれます。運動や睡眠、ストレス対策に脳トレも加えたプログラムが重要です。また、適切な実施のために医師のアドバイスを受けることをおすすめします。

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