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腸内細菌と認知症

腸内細菌の検査で認知症の有無がわかると考えられる背景や認知症予防のための食事など、腸内細菌と認知症の関係についてまとめました。

(※この記事は医師監修の記事ではありません。)

腸内細菌と認知症の関係

腸内細菌と認知症の関係というとピンとこないかもしれません。しかし、腸内細菌と人体の健康との間には密接な関係があることがわかっています。腸内細菌は腸内環境を映す鏡のようなものであり、腸内細菌の生息状況が腸内環境の悪化をもたらす状態であれば脳を含む人体の健康にとってリスクが上昇しているといえます。

認知機能と腸内細菌に関連があることは、国立長寿医療研究センターの「もの忘れセンター」佐治直樹副センター長らによる研究によってわかっています。さらなる研究の結果、認知症の患者の糞便では乳酸値が低下していました。アンモニアなどがオッズ比で1.6倍にもなるのに対し、乳酸値は0.3倍しかなかったというものです。
参照元:国立長寿医療研究センター公式HP(https://www.ncgg.go.jp/hospital/monowasure/news/20200518.html)

認知症患者の糞便で乳酸値が低いという事実からは、認知症患者の腸内には善玉菌が少なく、腸内環境の悪化が認知症につながっている可能性が考えられます。

腸内細菌とは

腸内細菌とは文字通り主に大腸の内部に生息している細菌のことです。その種類は約1,000種類もあり、腸内細菌の数は100兆個にもおよぶとされています。腸内フローラや腸内細菌叢と呼ばれるものは、この腸内細菌の集まりのことです。腸内細菌は善玉菌と悪玉菌、それにどちらにも属さない日和見菌の3グループに分類できます。

善玉菌

先ほど少し触れた善玉菌は、その名が示すように腸内環境の改善に役立つ腸内細菌です。乳酸を生むなど腸内環境を整えて悪玉菌の増殖を抑え、健康を維持する働きがあります。善玉菌の中で代表的な菌が乳酸菌やビフィズス菌などです。

悪玉菌

悪玉菌は善玉菌とは対照的に、腸内の腐敗を進めるなど人体の健康に悪影響を及ぼす菌です。代表的な菌として、病原性大腸菌(有毒株)やブドウ球菌、ウェルシュ菌などがあります。

日和見菌

日和見菌は善玉菌と悪玉菌の間で日和見しているかのような腸内細菌です。体調が悪く抵抗力が低下しているときなどに日和見菌感染症を引き起こします。代表的な菌は大腸菌(無毒株)やバクテロイデス、連鎖球菌などです。

腸内細菌の割合

3グループの腸内細菌は一定の割合で存在することが理想とされています。その割合は、善玉菌が2割、悪玉菌が1割、そして日和見菌が7割です。あくまでもひとつの理想であり、この割合でなければならないということでもありません。重要なことは3グループすべてが存在しており善玉菌が悪玉菌よりもハッキリと多いことです。

腸内検査で認知症の有無が確認できる

すでに述べたように、認知症患者の糞便中には乳酸が少ないという研究結果があります。乳酸を生みだす腸内細菌である善玉菌が少なく悪玉菌が増えているためだという推察が当たっていれば、認知症の有無の確認ができる可能性大です。腸内検査で腸内細菌の様子を調べ、予め設定する数値などの基準に照らせば認知症疑いの有無がわかるという理屈になります。

善玉菌を増やすための食事

善玉菌の減少が認知症のリスク要因だとするならば、善玉菌を増やすことで認知症の予防効果を期待できます。悪玉菌は善玉菌の増加により減少します。善玉菌を増やす食事として考えられるのは、食材自体に善玉菌が含まれているものや善玉菌の栄養源となる食材を使った食事です。

善玉菌を含んでいる食材の例

発酵食品によっては塩分などを考慮して取り過ぎに注意する必要があります。

善玉菌の栄養源となる食材の例

上記は水溶性食物繊維を多く含む食材です。食物繊維でも水溶性のほうがより適しています。

こちらの食材はオリゴ糖を多く含んでいます。

善玉菌を含んでいる食材にしても善玉菌の栄養源となる食材にしても、思うように食べられないケースがあるでしょう。そんなときは、サプリメントを利用するのもよいでしょう。ただし、食べ過ぎや飲みすぎには注意が必要です。

まとめ

腸内細菌と認知症の間には、善玉菌が減少して悪玉菌が増加したときにリスクが高くなる関係性があると推測可能です。その前提で、発酵食品や水溶性食物繊維、オリゴ糖を適度に摂取することが認知症予防につながります。これらの食材や成分は認知症に限らず健康維持に役立つものです。日々の生活で意識して食べるようにしましょう。

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