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イチョウ葉エキスと認知症予防

ギンコライドとフラボノイドという、2つの認知症予防成分を含むイチョウ葉エキスについての情報をまとめています。

認知症予防に効果アリ?イチョウ葉エキスとは

イチョウ葉エキスとは、乾燥させたイチョウの葉から抽出される成分のこと。青葉を乾燥させたものを、アルコールで抽出して成分を取り出します。イチョウ葉エキスは日本・アメリカなどではサプリメントとして利用されていますが、オーストリアやドイツでは医薬品として取り扱われています。

ギンコライドとフラボノイド

イチョウ葉エキスの主な健康成分として挙げられるのは、ギンコライドとフラボノイド。なかでもギンコライドはイチョウ葉エキスのみに含まれる固有の成分で、ファイトケミカルの一種。強力な抗酸化作用を持っており、活性酸素の攻撃から脳細胞を守る働きを持っています。

フラボノイドはポリフェノールの一種で、イチョウ葉エキスには約30種類ものフラボノイドが含まれています。その中でもとくに注目されるのが「二重フラボン」。これはイチョウ葉エキスの特有成分で、2 つのフラボノイドが重なったもの。血液循環を改善する効果が高く、その効果は他のフラボノイドのおよそ3倍とされています。

イチョウ葉エキスの認知症に対する効果

イチョウ葉エキスには、アルツハイマー型認知症に対する予防効果があると考えられています。アルツハイマー型認知症では脳にアミロイドβというタンパク質の蓄積が見られますが、イチョウ葉エキスにはこのアミロイドβが蓄積するのを防ぐ働きがあるとのこと。この働きについては、アメリカの研究グループによって2001年に発表されました。

ふたつめの理由は、先に挙げた血液循環を改善する効果。イチョウ葉エキスに含まれるフラボノイドには血流を改善する効果があり、これが脳の血流を活性化。認知機能のひとつである、記憶力を維持する働きが期待できます。

さらに、イチョウ葉エキスにはトロンボキサンA2という成分が含まれています。この成分には血小板の凝集を防ぐ作用があるため、血栓予防に効果的。「血流をよくする」「血栓を防ぐ」という2つの働きで、血管性認知症を予防する効果も期待できるというワケです。

認知症への臨床試験などのデータ

認知症患者309人への臨床研究

これは、1997年にLe Barsらによって行われたイチョウ葉エキスと認知症についての研究です。この研究は、軽度から重度のアルツハイマー型認知症または血管性認知症の患者309人に対し、イチョウ葉エキス1日120mgを52週にわたって投与するというもの。

その結果、イチョウ葉エキスを投与されたグループは、偽薬(プラセボ)を投与されたグループよりも認知機能検査の結果が良好であったとのことです。

参考文献: Le Bars PL, Katz MM, Berman N, Itil TM, Freedman AM, Schatzberg AF. A placebo-controlled, double-blind, randomized trial of an extract of Ginkgo biloba for dementia. North American EGb Study Group. JAMA. 278(16), 1327?1332 (1997).
(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9343463/)

含まれている成分/理想的な摂取量

イチョウ葉エキスには、「フラボノイド配糖体」や「テルペノイド」が含まれています。さらに、アレルギー物質であるギンコール酸もイチョウの葉に0.1〜1.0%含まれているため、イチョウ葉エキスからは可能な限りギンコール酸を除去する必要があり、含有量が5ppm以下となるように定められています。

イチョウ葉エキスを摂取する際には、適切な摂取量についても知っておく必要があるといえるでしょう。「イチョウ葉エキスの有効性および安全性(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所)」によると、「通常の規格化されたイチョウ葉エキスの摂取量(120~240mg/日)では、顕著な副作用の発現は認められていません」との記載があるように、摂取する場合には1日あたり「120~240mg」の摂取に留めると良いでしょう。

効果を期待するあまり過剰に摂取をすると、思わぬ弊害をもたらす可能性も否定できないことから、適切な摂取量を守ること、また医薬品を併用する場合には相互作用が起こる可能性についても考えておくことが大切であるといえます。

参考:国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究(https://www.nibiohn.go.jp/eiken/hn/modules/pico/index.phpcontent_id=306&page=print.html)

イチョウ葉エキスの認知症以外の可能性

イチョウ葉エキスは認知症へ働きかけることが期待されているだけではありません。適切に摂取をすることによって、血流の流れや短期記憶をサポートするなど、さまざまな可能性があるといわれています。

血液の流れをサポート

加齢とともに毛細血管は減少していきます。その割合は60代・70代頃になると、20代頃のおよそ3〜4割。毛細血管が減少することによって酸素や栄養を十分に運ぶことができなくなり、機能低下につながってしまうといわれています。

イチョウ葉エキスが血管に与える結果

そこで、イチョウ葉エキスが血流に対して与える働きを調べる実験が行われました。4週間行われた実験の中では、1日あたり240㎎のイチョウ葉エキスを投与し、毛細血管の状態や血流の変化について観察しています。

その結果、投与後には「毛細血管の増加」と「血流スピードの上昇」の2点が確認されました。このことから、イチョウ葉エキスを取り入れることによって毛細血管の血流改善や、血管の開通・発達を促す可能性が示唆されています。

血小板の凝集を抑制する可能性も

また、イチョウ葉エキスには血小板活性化因子(PAF)の抑制効果もあると考えられています。血小板活性化因子は、血流が悪化する原因のひとつと考えられているものですが、イチョウ葉エキスを投与した後の血管の様子を確認すると、再開通した血管や血管の発達も確認されました。

これは、イチョウ葉エキスの投与により血管内で血小板が過剰に集まってしまうことを抑制することで、毛細血管の血流改善に繋がっていると考えられます。

短期記憶をサポート

また、短期記憶力にもイチョウ葉エキスが働きかけるという実験結果も報告されています。実験では、記憶障害などがない8名にイチョウ葉エキスを120mgから600mgまでを投与後、60分後にステンベルグ検査を行うことにより反応時間を測定。この実験の結果、「イチョウ葉エキス600mgを投与した人において、60分間の短期記憶が優位であった」という結果が得られています。

実験の結果から、イチョウ葉エキスが短期記憶力に働きかけるという点、さらに記憶障害などがない人を対象として行われた実験であったことから、高齢者だけではなく健常な人でも有益な効果が得られる可能性があると考えられています。

認知症予防効果で注目される「ヤマブシタケ」とは?

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