豆腐・納豆・味噌といった大豆製品は、認知症予防効果が期待される食品のひとつ。ここでは大豆製品に含まれる成分とさまざまな研究結果、1日の摂取目安量などについてご紹介しています。
日本人の食卓に欠かせない大豆製品ですが、大豆に含まれるイソフラボンと認知症の関連性についての報告があります。国立研究開発法人の国立長寿医療研究センター(NILS-LSA)では、地域に住む60歳以上の人たちを大豆製品の摂取量と、大豆製品に含まれるイソフラボンの摂取量が、10年後の認知症リスクにどう影響するかを男女別に検証しました。
その結果、女性では豆類や総イソフラボンの摂取量が多いほど認知症リスクが低下。しかし、男性には有意な関係性が見られませんでした。イソフラボンは女性のホルモンバランスや美容によい影響を与えると言われてきましたが、認知症予防にもよいことが分かったのです。大豆製品には、イソフラボン以外にもさまざまな健康に有益な成分が含まれています。以下にまとめてみました。
参考元:国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター(https://www.ncgg.go.jp/cgss/department/ep/topics/topics_edit24.html)
大豆製品に含まれているサポニンには、血中コレステロールを低下させる効果があるとされています。血液がサラサラになって血栓ができにくくなるため、血管性認知症の原因となる脳梗塞の予防が期待できます。
レシチンは脳神経や神経組織を構成するもので、細胞膜の主成分です。大豆製品には大豆レシチンという成分が多く含まれており、これには血中のコレステロールや中性脂肪を改善する効果があると言われています。血液中に脂質が多くなると動脈硬化が進行するため、血管性認知症などの予防につながると考えられます。
大豆に多く含まれるイソフラボンには、血小板の凝集を抑える効果があります。これによって血液がサラサラになり、血栓の予防効果がアップ。また、血流が改善されることで体の隅すみずみまで血液が行き届くようになり、脳機能の向上も期待できるようになります。
大豆ペプチドとは、体内で大豆タンパク質が分解される際に生成される物質。この大豆ペプチドには脳の神経細胞を保護する働きがあることが分かっており、大豆製品の摂取が認知症の発症リスクを軽減すると考えられています。
α-リノレン酸はオメガ3系脂肪酸のひとつで、体内でDHAやEPAに変換されます。とくに脳の神経細胞膜にはDHAやEPAが必須であるため、α-リノレン酸が不足すると脳機能や神経機能に異常が現れるとされています。血液をサラサラにして動脈硬化を予防する効果もあるため、積極的に摂取したい成分です。
和食に欠かせない大豆製品ですが、同じく和食によく使われるキノコ類にも認知症予防で注目の食材があります。それが、ホクト株式会社が研究しているヤマブシタケです。このヤマブシタケにはヘリセノンという有効成分が含まれており、脳の認知機能を改善するという効果が認められているのです。当サイトではヤマブシタケとヘリセノンについて深く掘り下げていますので、ぜひ参考にしてみてください。
2000年より始まった「21世紀における国民健康づくり運動」の具体的な活動である「健康日本21」によると、1日あたりの豆類の摂取目安量は100g以上。しかし、日本人の豆類の摂取量は100gに届いていないため、より意識的な摂取が望まれます。
日本における大豆製品のバリエーションは、煮豆・豆腐・納豆・油揚げ・厚揚げ・がんもどき・味噌・豆乳・きなこなど、実に豊富です。何かひとつ苦手なものがあっても、ほかの食材で補うことができます。和食だけでなく中華や洋食などにもアレンジしやすい食材が多いので、いろいろと工夫して日々の食事に取り入れてみましょう。
参考元:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/pdf/all.pdf)
豆腐や油揚げなどの加工食品でもOK
大豆レシチンには、ホスファチジルセリンとホスファチジルコリンの両方が含まれています。両方とも、脳機能を維持するためには欠かせない物質です。
ホスファチジルコリンは、神経伝達物質であるアセチルコリンの原料となり、神経の情報伝達をスムーズにする働きがあります。
一方、ホスファチジルセリンは、脳の神経細胞を構成する成分で、細胞内に栄養素を取り込み、老廃物を排泄する脳の新陳代謝を活発にして、脳細胞の働きを活性化させてくれます。脳の老化防止、認知症予防には、欠かせない成分が大豆には豊富に含まれています。
大豆そのものを食べなくても、豆腐や油揚げなどの大豆を加工した製品でも問題ありません。しっかりと大豆に含まれる成分を摂取して、いつまでも若々しい脳を保ちましょう。
きのことトマトの麻婆豆腐
料理時間の目安: 15分
サッパリと食べられる麻婆豆腐
スタミナ料理のイメージがある麻婆豆腐ですが、きのこやトマトをメインにすることで、サッパリと食べられる一品です。大豆の栄養素にトマトのビタミンやリコピンがプラスされ、栄養素の面でも◎
トマトの食感が残るように
柔らかい豆腐、シャキシャキとしたキノコ、ザックリとろとろのトマトと3つの食感が楽しめる麻婆豆腐。トマトを大きめに切る、トマトを入れてからはあまり炒めすぎないなど、食感が残るように調理しましょう。
きのこと大豆のサラダ
料理時間の目安: 5分
おつまみにもピッタリ
意外な組み合わせにも思える、おつまみにぴったりなサラダのレシピです。きのこにはオルニチンが豊富に含まれるのでお酒と一緒に摂取するのがおすすめ。ビタミンCやビタミンB1もたっぷり摂ることができます。
水っぽくならないように注意
レンジで加熱して混ぜるだけなので、時間がないときにもさっと作れるレシピです。水っぽくならないように、大豆とツナの水気をしっかりと切っておきましょう。
きのこと大豆の簡単マスタード煮
料理時間の目安: 10分
副菜を手軽に一品プラス
手軽に食物繊維とビタミンを摂れるレシピです。食物繊維たっぷりのきのこに、イソフラボンが含まれる大豆を組み合わせることで、体の内側から健康を後押しできます。
とても簡単な一品
具材を切って煮詰めるだけなので、簡単に作れる一品です。エリンギとマイタケを食べやすい大きさに切るところがポイント。マスタードの辛みがいいアクセントになっています。