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乳製品

さまざまな栄養素がバランスよく含まれる牛乳や乳製品には、認知症の予防効果もあることが分かってきています。ここではチーズなどの乳製品に含まれる認知症予防によいとされる成分と、摂取量の目安などについてまとめてみました。

乳製品に含まれる認知症予防によい成分

牛乳・乳製品と認知症予防に関しては、さまざまな企業や研究機関で調査研究が進められています。その中のひとつに、公益社団法人久山生活習慣病研究所と株式会社明治が共同で行った調査があります。

この調査では、福岡県久山町に住む60歳以上の1,080名を対象に、牛乳・乳製品の摂取量を17年間にわたって記録。そのデータを解析した結果、牛乳・乳製品(チーズなど)を多く摂っている人はアルツハイマー型認知症の発症リスクが少ないことが分かったのです。
参考元:認知症ねっと(https://info.ninchisho.net/archives/2308)

以下に乳製品に含まれる成分と働きをまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

カルシウム

骨を強くしたり、脳の神経を落ち着かせるといった働きを持つカルシウム。このカルシウムが不足すると骨からカルシウムが流出し、血中のカルシウム濃度が増加。その一部が脳細胞に入り込むと記憶を司る細胞が傷つき、認知機能の低下を招くと言われています。

マグネシウム

骨や歯の形成に欠かせないマグネシウムは、300種類以上もの酵素の働きを助ける補酵素。このマグネシウムには、体内のカルシウムやナトリウムの量を調節して正常な血圧を保ったり、動脈を拡張させて血流をよくするといった働きがあります。

ビタミンB12

タンパク質・核酸・アミノ酸の合成をサポートし、脳神経の機能を正常に保つビタミンB12。とある研究では、アルツハイマー型認知症の脳では健康な人より1/4~1/6ほどビタミンB12が少ないという報告もあるため、適切な摂取が望まれます。

ホエータンパク質

ホエーとは、牛乳からカゼイン(タンパク質の一種)と脂肪を取り除いた液体のこと。そこに含まれるタンパク質を、ホエータンパク質と呼びます。アメリカのカリフォルニア大学の研究では、2型糖尿病患者にホエータンパク質を摂取してもらったところ、食後血糖値の上昇を抑えやすくなることが分かりました。
参考元:糖尿病ネットワーク(https://dm-net.co.jp/calendar/2020/030562.php)

ラクトフェリン

ラクトフェリンは、牛乳や母乳に含まれる鉄結合性の糖タンパク質です。慶応義塾大学の研究グループによると、ラクトフェリンには炎症を抑制する働きがあるとのこと。認知症は脳神経の炎症が原因のひとつと考えられているため、それを抑制するラクトフェリンには認知症予防効果が期待できると考えられます。
参考元:保健指導リソースガイド(http://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2019/007969.php)

牛乳の「短鎖脂肪酸」が認知機能の低下リスクを抑制

高齢化が進む現在、国立長寿医療研究センターでは、食生活と認知機能の関連を調べる研究が行われています。その中のひとつとして、「牛乳・乳製品と認知機能の関係」に関する疫学研究も実施されており、その結果牛乳や乳製品が認知機能低下の抑制をすることがわかってきています。

同センターでは、1997年から開始した研究コホート「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究」のデータを使用。認知機能低下リスクが高まる60代・70台を対象とし、認知機能スクリーニングテスト「MMSE」を行いました。その結果を食品群摂取量を元に分析して解析した結果、女性においては穀類と乳製品の摂取量に応じて認知機能が低下するリスクに差がみられるとして、「高年の60代以上の女性においては、穀類の摂取量の増加、あるいは乳製品の摂取量の減少は、認知機能が衰えるリスクを高める(つまり認知機能がより衰え易くなる)ことが示唆されました」と結論づけています。

このことから、乳類の摂取により認知機能低下を抑制することができると考えられることから、乳類をほとんど摂取していない高齢者に摂取を促すことは、認知機能低下の抑制に繋げられる可能性があるとされています。

引用元:一般社団法人Jミルク メディアミルクセミナーニュースレター(平成28年3月4日開催)
(https://www.j-milk.jp/report/media/f13cn00000000vx4-att/hn0mvm0000000wlv.pdf)

乳清やチーズに含まれるアミノ酸が認知機能を改善

人間の体は多くのタンパク質から作られていますが、タンパク質を構成しているのは20種類のアミノ酸です。このアミノ酸のうち8種類は体内で合成ができず、食品から摂取する必要があります。このように、食品から摂取できないアミノ酸を「必須アミノ酸」と呼んでいます。

食品にどのくらいアミノ酸が含まれているかは「アミノ酸スコア」という数字で示され、100に近いほど良質のタンパク質であるということを示します。その中で、牛乳やヨーグルト、チーズはアミノ酸スコア100となっています。さらに、牛乳などには必須アミノ酸が含まれている点も注目すべきポイントといえるでしょう。

この乳製品に含まれているアミノ酸に関する研究も行われており、東京大学をはじめとする研究グループでは特に乳清(ホエイ)やカマンベールチーズに多く含まれている「WYジペプチド」と呼ばれるアミノ酸に注目。研究の結果、WYジペプチドには認知機能の改善・予防効果がある可能性が報告されています。

乳製品の「WYジペプチド」が脳内の炎症を抑制

アルツハイマー型認知症に大きく関わっているもののひとつにアミロイドβと呼ばれるタンパク質がありますが、「WYジペプチド」は、培養ミクログリアが持つアミロイドβの貪食機能を強める働きを持つと考えられています。

東京大学、学習院大学、キリンホールディングス株式会社の研究グループでは、脳内清掃細胞であるミクログリアの炎症状態抑制する乳ペプチドを探索した結果、「WYジペプチド」を発見。そこで老齢マウスにWYジペプチドを19週摂食させたところ、脳の炎症状態の進行が抑制され、アミロイドβも減少。さらに、アルツハイマー病モデルマウスに対し、発症前からWYジペプチドを経口投与し、病態予防効果について検証すると、ミクログリアのアミロイドβ除去機能の亢進、炎症状態の抑制など病態の改善がみられ、認知機能の低下も予防されました。

以上のことから、「乳タンパク質(カゼイン)を特定の微生物由来酵素で分解して得られたWYジペプチドが、培養ミクログリアのアミロイドβ貪食機能を亢進し、炎症性サイトカイン産生を抑制することを見出しました。」と結論づけています。 WYジペプチドは、特定の乳清(ホエイ)やカマンベールチーズなどカビで熟成をさせたチーズに多く含まれていることがわかっています。これらの食品を意識的に摂取することによる認知症の予防が期待されるとともに、WYジペプチドが多く含まれた食品を活用した、摂取しやすい食品の開発についても期待されているといえるでしょう。

引用元:東京大学 「発酵乳由来ジペプチドのアルツハイマー病予防効果-WYジペプチドの摂取が脳内のアミロイドβ沈着と炎症を抑制し、 認知機能低下を予防する-」
https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/topics_20190524-1.html

乳製品はどれくらい摂取すべき?

牛乳や乳製品は、日本人が不足しがちなカルシウムの重要な供給源です。そんな牛乳の1日あたりの摂取目安量は200mlで、コップ1杯程度。朝食と一緒に飲むと1日を通じて血糖値が上がりにくくなるというデータもあるので、朝1杯の牛乳を習慣づけるとよさそうです。牛乳を飲むとお腹がゆるくなる…という人は、チーズやヨーグルトなどを利用すると◎です。

乳製品が苦手という場合は、料理への活用を考えましょう。牛乳や乳製品を使ったメニューには、シチュー・ホワイトソース・ポタージュ・ミルク煮などがあります。料理に使うと牛乳や乳製品が苦手な人でも食べやすくなり、必要な栄養素をしっかりと摂ることができます。ただし、牛乳や乳製品はタンパク質・脂肪の量が多いため比較的高カロリー。とくにチーズは塩分量が多いため、摂りすぎに注意しましょう。

記事の監修医 豊田早苗 医師
(とよだクリニック認知症予防センター長)

豊田医師

カルシウムは食事から取り入れる

骨粗鬆症や骨密度低下を防ぐ目的で、食事とは別にサプリメントでカルシウムを摂取している方はいませんか?
骨を丈夫にすることで知られるカルシウムですが、摂りすぎて余ったカルシウムは、血液によって脳に運ばれ、細胞内に取り込まれます。脳の細胞、特に記憶を司る海馬の細胞は、カルシウムバランスに敏感で、細胞内のカルシウム濃度が上昇すると死滅してしまいます。「認知症予防に必要なカルシウムの摂取は、食事からが基本」を覚えておきましょう。
また、牛乳やチーズなどの乳製品は、カルシウムが多く、マグネシウムが少ないです。カルシウムが体内に吸収されるためには、マグネシウムが必要ですので、大豆やナッツ類などマグネシウムを多く含む食品と一緒に摂取してください。

【きのこのホクト提供】
乳製品ときのこを使用したレシピ

霜降りひらたけと帆立貝のソテー カレー風味のクリームソース

料理時間の目安:30分

レシピ写真

プルプルコリコリな食感が甘さにマッチ

うま味の濃い霜降りひらたけだからこそ、魚介類の濃いうま味との相性が抜群です。また、霜降りひらたけのほんのり優しい味わいは、乳製品と合わせるとよりまろやかになります。カレーの風味を加えることで、食欲がそそる香りに。

材料(4人分)
  • 霜降りひらたけ:1パック
  • 帆立貝:4個
  • にんにく:1片
  • パセリ:少々
  • バター:40g
  • オリーブオイル、塩、こしょう:適量
  • じゃがいも:1個
  • バター:50g
  • 生クリーム:80ml
  • コンソメスープ:100ml
  • 生クリーム:80ml
  • バター:20g
  • カレー粉:適量
  • スプラウト:適量
作り方 (4人分)
  1. 霜降りひらたけを食べやすい大きさにほぐし、塩、こしょうをしておく。
  2. にんにくとパセリをみじん切りにする。じゃがいもは茹でて皮をむいておく。帆立貝は1/4の大きさに切る。
  3. 霜降りひらたけをオリーブオイルでソテーし、帆立貝、にんにく、パセリ、バターを入れて更にソテーする。
  4. じゃがいものピューレを作る。じゃがいもをフォークでつぶし、バター、生クリームを加えて伸ばし、塩、こしょうで味をととのえる。
  5. クリームソースを作る。コンソメスープを1/2量になるまで煮詰め、生クリーム、バター、カレー粉を加え混ぜる。
  6. グ材を皿にを盛り、クリームソースを周りに流し、スプラウトを飾る。
ポイントメモ

お好みの魚介類を加えてもOK

霜降りひらたけのうま味は魚介類と非常に合うため、帆立貝だけでなくアサリやイワシなど、好みの魚介類を追加しても美味しく仕上がります。また、最後にチーズをかけてもいいですね。

霜降りひらたけと白菜のクリームスープ

料理時間の目安: 15分

レシピ写真

食物繊維たっぷりのレシピ

霜降りひらたけと白菜は食物繊維が豊富。一緒に食べることにより腸を整えて、免疫力を高めるのにひと役買ってくれるレシピです。きのこの旨味と白菜の甘みをたっぷり味わえます。

材料(2人分)
  • 霜降りひらたけ:1パック
  • 白菜:1/8玉(300g)
  • 玉ねぎ:1/2個
  • ベーコン:2枚
  • 牛乳:300ml
  • 塩:小さじ1/2
  • 黒こしょう:適量
  • 小麦粉:小さじ1/2
  • オリーブオイル:大さじ1
作り方 (2人分)
  1. 霜降りひらたけは小房にほぐしておく。
  2. 白菜は食べやすい大きさに切る。玉ねぎは薄切りに切る。ベーコンは短冊切りにする。
  3. フライパンにオリーブオイルを熱し、ベーコン、玉ねぎ、霜降りひらたけ、塩、黒こしょうの順に加えて炒める。しんなりしたら小麦粉を加え、だまができないようによく混ぜる。
  4. 牛乳を少しずつ加えてよく混ぜ、白菜を加えとろみがつくまで煮る。
ポイントメモ

しっかりと混ぜるのがポイントです

調理するときに、小麦粉を入れたときにダマにならないようにしっかりと混ぜるのがポイント。さらに、牛乳を混ぜるときにも少しずつ混ぜるようにすると上手にできあがりますよ。牛乳を入れたときにもしっかり混ぜ合わせましょう。

ゴロゴロエリンギバーグのトマトクリームソース

料理時間の目安: 30分

レシピ写真

さまざまな栄養素をしっかり摂れる

人気のハンバーグにたっぷりのきのこを入れることで、うま味をプラスするとともにビタミンやミネラルをたくさん摂取できるレシピ。さらに、トマトでビタミン類。お肉でタンパク質を摂取できます。

材料(4人分)
  • エリンギ:100g
  • 牛豚合いびき肉:300g
  • 玉ねぎ:1/2個
  • にんにく:1/2片
  • サラダ油:小さじ1
  • 生パン粉:20g
  • 牛乳:50ml
  • 卵:1個
  • 塩・こしょう・ナツメグ:少々
  • オリーブオイル:大さじ1
  • 【ソース】エリンギ:100g
  • 【ソース】ブナピー:100g
  • 【ソース】オリーブオイル:小さじ1
  • 【ソース】にんにく:1/2片
  • 【ソース】トマト缶:1/2個
  • 【ソース】生クリーム(低脂肪タイプ):50ml
  • 【ソース】牛乳:100ml
  • 【ソース】ウスターソース:小さじ2
  • 【ソース】塩コショウ:少々
  • 【ソース】パセリ:お好み
作り方 (4人分)
  1. ボウルにパン粉と牛乳を入れて浸す。
  2. エリンギ(100g)は小さめの角切りにする。
  3. 玉ねぎ、にんにくはみじん切りにする。
  4. フライパンにサラダ油を熱し、3を炒めたら、皿に取り出して粗熱をとる。
  5. 1のボウルにひき肉、卵、塩・胡椒・ナツメグ・4を加えて手でよくこねる。粘り気がしっかり出たら、2のエリンギを加えて混ぜ合わせる。
  6. 生地を4等分して空気をしっかり抜いたら、成型して真ん中を凹ませる。
  7. フライパンにオリーブオイルを熱し、6を両面に焦げ目がつくように焼いたら、フタをしてごく弱火で中まで火を通す。
  8. ソースをつくる。ブナピーは石づきを切り子房に分け、エリンギ(ソース用)は食べやすい大きさに切る。にんにくはみじん切りにする。
  9. 大きめのフライパンを熱し、オリーブオイルとにんにくを入れて弱火でオイルに香りをつける。
  10. 9に8を加えてさっと炒める。きのこがしんなりしてきたらトマト缶、コンソメを加えて加熱し、沸騰してきたら生クリーム、牛乳を混ぜながら加え火を弱める。
  11. 10にコンソメ、ウスターソースを加え、味を見ながら塩・こしょうで味を調える。
  12. 7のハンバーグを汁ごと入れ、弱火で熱しながら味を絡ませる。さらに盛り付け、パセリをあしらう。
ポイントメモ

ソースにもきのこがたっぷり

ハンバーグにも、ソースにもたっぷりきのこが入ったレシピ。いつもはあまりソースを作らないという人も、ぜひこのレシピに挑戦してみてはいかがでしょうか。美味しく栄養が取れる一品になりますよ。

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