肉類の中でもヘルシー食材として人気を集めている鶏肉ですが、実は鶏肉にも認知症予防によいとされる成分が含まれています。以下にその情報をまとめてみました。
淡泊な味わいで、和食から洋食まで幅広く用いられる鶏肉。近年の研究では、この鶏肉に含まれる成分に認知症を予防する効果があるのでは…と考えられています。
これは、2014年に発表された東京大学/九州大学/国立精神・神経医療研究センター/日本ハム(株) 中央研究所などの共同研究です。この研究では、鶏肉に含まれるイミダゾールペプチドを高含有した試験食を、中高齢者を対象に長期間摂取してもらいました。その結果、イミダゾールペプチドを摂取したグループの脳で、萎縮を抑制する効果が見られたとのことです。
参考元:日本ハム株式会社中央研究所(https://www.rdc.nipponham.co.jp/material/ma_cbex.html)
ここではそんな注目の成分イミダゾールペプチドをはじめとする、鶏肉に含まれる成分をまとめてみました。
イミダゾールジペプチド(イミダペプチド)とは、産官学連携の抗疲労プロジェクトで見出された高機能食品成分。鶏肉の部位の中でもとくにむね肉に多く含まれており、その量はもも肉の2.6倍とされています。このイミダゾールペプチドは、脳や体の老化の原因となる活性酸素を抑制する抗酸化成分。しかも、酸化作用が強いとされる塩素系の活性酸素を抑制してくれます。
メチオニンは、必須アミノ酸のひとつ。体内で合成できないため、食物から補給する必要があります。このメチオニンは、セロトニン・ノルアドレナリンといった神経伝達物質の材料となるもの。脳を活性させて記憶力を向上させるなど、認知症の予防・改善効果に期待が持たれています。
ナイアシンとはナイアシンアミドとニコチン酸の総称で、ビタミンB3 と呼ばれることもあります。このナイアシンには毛細血管を拡張する作用があり、全身の血液循環を改善。脳神経の働きを促進したり、冷えや肩こりの改善にも効果があるとされています。
セレンは必須ミネラルのひとつで、ビタミンC・Eと共に甲状腺ホルモンの代謝を促進したり、過酸化脂質を分解する役割を持ちます。また、セレンは抗酸化作用を持つ酵素の合成に必要な成分のため、活性酸素によって引き起こされる動脈硬化の予防にも役立ちます。
鶏肉に含まれるタンパク質は、脳の活動に必要な神経伝達物質に必要不可欠な成分。タンパク質が不足するとセロトニンやドーパミンといった神経伝達物質を生成できなくなり、思考力・記憶力・集中力の低下につながると言われています。
厚生労働省によると、1日あたりのタンパク質摂取量の目安は、成人男性60g・成人女性50gとなっています。鶏肉であれば、約240gで1日の摂取目安量をクリアすることができます。もちろん他の肉類から摂取してもよいですが、鶏肉は牛肉・豚肉に比べると脂質量が非常に少ないため、生活習慣病予防の観点からしても優秀な食材なのです。
参考元:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042630.pdf)
鶏肉の中でも積極的に摂取したいのは、イミダゾールペプチドを多く含む鶏むね肉。イミダゾールペプチドは熱に強いので、どのような調理でもOK。水に溶けやすいという性質を持っているため、スープ・シチュー・煮込み料理といった煮汁ごと食べられるメニューにすると、ムダなく成分を取り入れることができます。
生活習慣予防の観点からも取り入れたい食材
鶏肉には、アルツハイマー病の原因物質とされているアミロイドβの蓄積を抑えるプラズマノローゲンも含まれており、認知症予防食としては、おすすめの食材です。
プラズマノローゲンは、脳の神経細胞に多く含まれているリン脂質。プラズマノローゲンを摂取することで、記憶力の改善やアミロイドβの蓄積を抑えることができます。「最近、物忘れが増えてきた」「うっかりミスが多くなった」という方は、ぜひ、食卓に鶏の胸肉を使った料理を取り入れてみると良いかと思います。
コレステロールを上げる原因となる飽和脂肪酸も牛肉や豚肉に比べて少ないので、生活習慣予防にもなりますし、疲労回復効果もあります。
鶏肉ときのことゴロゴロ根菜の味噌煮
料理時間の目安: 30分
きのことたくさんの根菜で腸活にも◎
イミダゾールペプチドがタップリの鶏の胸肉に、食物繊維が豊富なきのこや根菜をプラス。ヘルシーな料理で生活習慣病対策&腸内環境を整える、体全体に嬉しいレシピです。
マイタケで鶏むね肉が柔らかに
パサパサとしがちな鶏むね肉ですが、実はマイタケと料理してあげることで柔らかくなるんです。マイタケで鶏むね肉を挟んであげることで、含まれているプロアテーゼが染み込み、ふんわりと仕上がります。鶏むね肉にはマイタケ、ぜひ試してみてください。
きのことキャベツの鶏カレーマヨ炒め
料理時間の目安: 20分
食物繊維とたんぱく質をたっぷり摂れる
マヨネーズとカレーの味付けが、きのこの旨味としっかりマッチ。食物繊維とたんぱくしつをしっかりと摂ることができるレシピです。
カレー粉の量はお好みで
食物繊維が豊富なきのことキャベツを、たんぱく質が豊富な鶏むね肉と一緒に食べられるレシピ。辛いものが苦手な人は、カレー粉の量をお好みで加減してみると良いでしょう。
きのこと鶏肉のドリア
料理時間の目安: 25分
簡単ドリアでたっぷり栄養チャージ
ビタミンBやビタミンCをたっぷり摂れるレシピ。一見難しそうに見えるドリアですが、このレシピなら簡単に完成。きのこに豊富に含まれる食物繊維もしっかり摂取できます。
だまができないようにしっかり混ぜる
フライパンで仕上げるので、オーブンなどで焼いたりする手間がなく簡単。ホワイトソースを作るときにだまができないよう、泡立て器を使ってしっかりと混ぜるのがポイントです。