近年、血糖値が上がりにくい食材としてコンビニなどでも取り扱われている玄米や全粒粉の食品。ここでは玄米や全粒粉に含まれる認知症によいとされる成分や、摂取量・摂取の方法についてまとめてみました。
玄米や全粒粉といった全粒穀物(ぜんりゅうこくもつ)は、種皮や胚などを除去していない未精製の穀物。認知症予防として推奨されているマインド食でも、玄米や全粒粉は積極的に取り入れたい食品のひとつとなっています。
全粒穀物の特徴として、血糖値が上がりにくいというものがあります。食品ごとの血糖上昇率を示す指標にGI値(グリセミックインデックス)がありますが、玄米や全粒粉はこのGI値が低め。食後の血糖値が上がりにくく、インスリンの過剰分泌や血管へのダメージを抑えることができます。ちなみに精白米のGI値は84、玄米は56ですから、認知症と関係の深い糖尿病を予防するためにも玄米への置き換えは有効と言えます。
さらに、玄米や全粒粉には認知症予防に効果があるとされる成分が多数含まれています。以下にその詳細をまとめてみました。
フェルラ酸は、玄米や米ぬかに多く含まれている天然ポリフェノール。このフェルラ酸には傷ついた脳細胞を修復する脳細胞保護作用があり、記憶や学習機能の向上も期待できるとのこと。アルツハイマー型認知症の進行を抑えるといった働きも報告されており、近年では物忘れ防止サプリメントにも配合されています。
γ(ガンマ)-オリザノールは、玄米に含まれる植物性ステロール。琉球大学の研究チームによると、γ-オリザノールにはインスリンの分泌を促進して血糖値を下げる作用があることが報告されています。
参考元:一般社団法人日本生活習慣病予防協会(http://www.seikatsusyukanbyo.com/calendar/2017/009370.php)
イノシトールとは、ビタミンB群に分類される水溶性のビタミン様物質。イノシトールは脳の神経細胞に多く含まれるリン脂質を構成する物質のため、摂取することで神経の働きが安定化。集中力や記憶力の維持などに役立つと言われています。また、コレステロールの流れを改善して動脈硬化を防ぐ効果も期待できます。
野菜やキノコ類に多く含まれる食物繊維ですが、玄米は精白米の約6倍、全粒粉は強力粉の約4倍の食物繊維を含んでいます。食物繊維には血糖値をコントロールしたり、体内の老廃物を体外へ排出する働きがあるため、積極的な摂取が望まれます。
ギャバ(GABA)とは、人体だけでなく植物にも広く存在する天然アミノ酸。このギャバには、脳や脊髄で神経の興奮を抑える「抑制性神経伝達物質」としての働きがあり、ストレスを低減したり血圧を下げる作用が報告されています。
認知症と関係性が深い2型糖尿病のリスクを下げるには、毎日食べる精白米や白パンを玄米・全粒粉に変えることが効果的とされています。1日3食を玄米・全粒粉にするのは難しい…という場合は、3食のうち1~2食を置き換えるだけでもOK。ちなみに茶碗2杯(1杯150g)の玄米を食べると、1日分のミネラルと食物繊維の多くをまかなうことができます。
玄米や全粒粉のパンはGI値が低く血糖値も上がりにくいですが、カロリーはそれほど低くありません。ヘルシーだからといって食べすぎないよう、量をきちんとコントロールしましょう。
豆と一緒に炊くなど工夫をしてみて
玄米に含まれているフェルラ酸は、白米には含まれていません。認知症では、脳のゴミと呼ばれるアミロイドβなどのタウたんぱく質がリン酸化される事で、脳神経細胞内に凝集し、細胞死を引き起こすことが分かっています。
フェルラ酸には、アミロイドβなどのタウたんぱく質がリン酸化されることを抑制する働きがあるとともに、すでにリン酸化されたタウたんぱく質を分解する作用もあります。つまり、認知症予防効果もさることながら、認知症の改善効果もあると言われています。
玄米は、白米よりパサパサして食べにくい感じがしますが、小豆と一緒に炊くなど工夫次第で食べやすくなります。玄米ご飯を食べたことのない方は、一度試してみましょう。
きのこのヘルシーソイリゾット
料理時間の目安:10分
玄米と豆乳でつくるヘルシーメニュー
脂肪や糖質が気になる人にもおすすめなヘルシーリゾット。マイタケとブナピーのうま味と食感がアクセントになります。
認知症予防に取り入れたい豆乳もタップリとれる、体に嬉しいメニューです。
豆乳を加えてからしっかりとひと煮立ちさせる
クリームソースをつくるときのように小麦粉は使用しません。豆乳を加えてしっかりと煮立たせることで、きのこのうま味ととろみが全体にいきわたります。
きのこたっぷり健康カレー
料理時間の目安: 30分
食物繊維たっぷりのカレー
キノコをたっぷり入れた、食物繊維をたくさん摂取できるレシピです。食物繊維が豊富なので、満足感もバッチリ。本格的なカレーなのにヘルシーな一品です。
ルーを使わないので低カロリー
カレーなのにルーを使わないレシピです。カレー粉やきのこ、野菜のうまみがしっかりと感じられるレシピなのでカロリーを抑えることが可能。美味しさを感じながらきれいな体づくりができます。
たっぷりきのことアスパラガスのミネストローネ
料理時間の目安: 20分
きのこのうまみをたっぷりと楽しめる
スープにきのこや野菜の美味しさをたっぷりと閉じ込めました。ビタミンやミネラルをしっかりと摂取できるレシピです。
きのこの種類はお好みで
今回は4種類のきのこを入れていますが、どのきのこを入れるかはお好みでOK。たっぷりときのこの美味しさを楽しめるレシピなので、さまざまなきのこで楽しんでみてください。