【医師監修/ホクト株式会社協賛】認知症予防のための食事改善ガイド » 認知症予防に良いといわれるサプリ成分 » セロトニンと認知症予防

セロトニンと認知症予防

このページでは、脳内の神経伝達物質であるセロトニンについてまとめています。どのような働きを持つ物質なのか、また分泌を促すにはどうしたら良いのかといった点について紹介しているので、参考にしてみてください。

認知症予防に効果アリ?セロトニンとは

セロトニンとは、脳内の神経伝達物質のひとつです。他の神経伝達物質であるドーパミン(喜びや快楽など)や、ノルアドレナリン(驚きや恐怖など)の制御によって精神を安定させる働きを持っている物質です。

セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンから作られる物質ですが、低下してしまった場合にはドパミンやノルアドレナリンのコントロールが不安定になることによって、攻撃性が高まる・不安を感じる・うつ病やパニック障害といった症状を引き起こすと考えられています。

また、近年では女性ホルモン分泌の減少がセロトニン低下に関係するという点もわかっており、更年期障害との関係も知られるようになっています。

セロトニンの認知症に対する効果

セロトニンが認知症に直接関係するというデータは見つかりませんでしたが、認知症にはメラトニンと呼ばれる成分が関係していると考えられています。このメラトニンと呼ばれる成分は、別名「睡眠ホルモン」とも呼ばれており、眠りを誘う作用に関係していますが、セロトニンと大きく関わりがあることが知られています。神経伝達物質であるセロトニンとメラトニンは拮抗関係にあり、例えば朝に太陽の光を浴びるとセロトニンの分泌が増えてメラトニンの分泌が減ることで覚醒に向かいます。さらに、日中のセロトニン分泌が多い場合にはその分野間に分泌されるメラトニンの量が増えるとされています。

メラトニンと認知症の関係ですが、たとえば「アルツハイマー型認知症の患者の血中メラトニン濃度は同年齢のヒトに比べると優位に低い」ということや、「一卵性の双子のアルツハイマー病患者の一方に、通常の薬とともに6mgのメラトニンを3年間服用した場合には、通常の薬だけを服用した双子と比べると脳萎縮度や言語・歩行能力の低下が抑制されていた」といった報告も行われています。

また、近年では認知症の前段階といわれている軽度認知障害(MCI)の患者に、いつも服用している薬とともに9〜18ヶ月の間、3〜9mgのメラトニンを服用し続けた場合には、メラトニンを使用しなかったグループと比較してMMSEと呼ばれる認知機能をみる場合に使用されるテストなど、学習や記憶テストにおけるスコアが有意に上昇した、という報告もあります。なお、MMSEは国際的に広く使用される、認知機能をみるためのテストです。

さらに、軽度から中程度のアルツハイマー型認知症がみられる患者に、通常用いる薬(アリセプトなど)とともに2mgのメラトニンを6ヶ月の間服用した場合には、メラトニンを使用していなかったグループよりもMMSEなどのスコアが有意に上昇したとされています。さらに、睡眠障害を持っている患者に特に顕著な結果が見られたとも報告されています。

このように、直接セロトニンと認知症に関する報告は見つけられなかったものの、セロトニンと深い関係を持っているメラトニンについては非常に多くの研究が行われています。

参考:
渋谷メンタルクリニック|不眠 睡眠と脳内ホルモン
https://www.shibuya-mental.com/insomnia
服部淳彦|メラトニンとエイジング
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hikakuseiriseika/34/1/34_2/_pdf

認知症への臨床試験などのデータ

セラトニンと認知症に関する試験データや論文などは見つかりませんでした。

含まれている成分/理想的な摂取量

セロトニンは、その多くが腸に分布している成分です。そのため、腸内環境を整えることがセロトニンの分泌を促す上で大切なポイントと考えられています。ここでは、セロトニンを増やすためにはどのような点を意識して生活すれば良いのかといった点について解説します。

セロトニンを増やすためにはトリプトファンの摂取が鍵

セロトニンの分泌には食事も大きく影響しているとされています。その栄養素は、必須アミノ酸の一種であるトリプトファンですが、これは人間の体内では生成できないので食事から摂取する必要があります。

トリプトファンが含まれる食品として挙げられているのが、カツオ・マグロ・牛乳やチーズなどの乳製品、豆腐や納豆といった大豆製品、ナッツ類、バナナなど。さらに、ビタミンB6やマグネシウム、ナイアシンを含んでいる食品もセロトニンの生成に関わってくると考えられているので、上記に挙げられた食品などを意識してみることがおすすめです。

セロトニンの分泌を促すためには

セロトニンの分泌を促すにはまず食事を見直してみるという方法が挙げられますが、そのほかにも「適度な運動」「睡眠」「感情を動かす」といった取り組みも有効だと考えられます。

まず、適度な運動については、比較的単調な有酸素運動がオススメとされています。具体的には、ランニングや水泳、サイクリングなど、単調な動きの繰り返しで長時間続けられる運動を選ぶと良いでしょう。一定のリズムを刻む運動を反復して行った場合には、セロトニン神経が刺激されます。

また、セロトニンを増やすためには良質な睡眠を取ることも重要とされています。寝不足が続いてしまうと小さなできごとでイライラする、気分が晴れないといった状態になりがちであるように、脳の機能も低下します。さらに、セロトニンが減少するとメラトニンも減少し、睡眠の質が下がるといったことも考えられます。

最後に「感情を動かす」という点ですが、具体的にいうと日常生活の中で喜怒哀楽の感情をできるだけ引き出すように意識することが大切とされています。例えば感動的なテレビや映画などを見たときに涙を流すと、自律神経がリセットされるとともにセロトニン活性が起こるといわれています。そのため、多くの人と触れ合ったり交流するといった経験をしたり、映画や小説、歌などを聞くなど心が動く経験を多く持つことがおすすめです。また、グルーミングと言われる人とのふれあいについても、セロトニンを増やす方法としておすすめされています。

さらに、セロトニンを増やすことを考える上では、日光を浴びることが欠かせません。これはセロトニン神経は日光を浴びることで活性化されるためです。そのため、朝にリラックスした気分で太陽の光に当たりながら、毎日15分程度の運動からはじめてみると良いでしょう。

参考:医療法人社団平成医会|セロトニンの増加が心身に及ぼす効果
https://heisei-ikai.or.jp/column/serotonin/

セロトニンの認知症以外の可能性

セロトニンは、うつ病と関わりのある物質としても知られています。うつ病は脳内のセロトニンが欠乏してしまうことが原因のひとつとして考えられていますが、日照時間が短くなって日光を浴びる時間が減り、セロトニンの分泌が減ってしまうことで症状が出てくる「季節性情動障害(別名:冬季うつ病)」といった疾患もあります。

うつ病の治療を行う際には、セロトニンを増やす作用のある抗うつ剤が用いられています。この抗うつ剤はセロトニンを増やす作用を持っています。

治療を行う上では、抗うつ剤によってセロトニンを増やしたことによってすぐにうつ病の症状が良くなるわけではなく、時間をかけてゆっくりと症状が改善されていきます。そのため、運動などによってセロトニンを増やしたからといってうつ病の症状がすぐに改善したり、予防ができたりといった単純なものではありませんが、セロトニンは自律神経を調整するという点において重要な役割を持っていると考えられている点から、適切にセロトニンが分泌されるように心がけることが大切といえるでしょう。

認知症予防効果で注目される「ヤマブシタケ」とは?

ヤマブシタケとは、認知症を防ぐ効果があるとされるヘリセノンという成分を含むキノコの一種。あの、ホクト株式会社が研究を進めている注目の食材です。その効果や研究結果などについてまとめていますので、こちらもぜひチェックしてみてください。

関連ページ

【医師監修/ホクト株式会社協賛】認知症予防のための食事改善ガイド

認知症予防に良いといわれるサプリ成分
ビタミンCと認知症予防
認知症予防とカテキン(EGCg)の関係とは?
アラキドン酸と認知症予防
認知症予防とDHAの関係とは?
認知症予防とコリンの関係とは?
認知症予防とクルクミンの関係とは?
ユーグレナと認知症予防
認知症予防とヘリセノンの関係とは?
トリプトファンと認知症予防
認知症予防とカルノシンの関係とは?
認知症予防とノビレチンとの関係とは?
認知症予防とビフィズス菌の関係とは?
認知症予防と核酸の関係とは?
認知症予防とEPAの関係とは?
ビタミンB群と認知症予防
ロイシンと認知症予防
認知症予防とヒスチジンとの関係とは?
わさびエキスと認知症予防
βラクトリンと認知症予防
認知症予防とホスファチジルセリンの関係とは?