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認知症予防とノビレチンとの関係とは?

認知症予防に役立つ成分として注目されているフラボノイドの一種「ノビレチン」。ここでは、ノビレチンの効果や摂取量についての情報をまとめました。

認知症予防に効果アリ?ノビレチンとは

ノビレチンとは、柑橘系植物に含まれている成分で、柑橘系の中でも含有量が多いのがシークワサーです。100g中のノビレチレン含有量を見てみましょう。

ノビレチンは柑橘類の果皮に多く含まれており、漢方薬やマーマレードなどの形で食されてきたという歴史があります。近年の研究でノビレチンの様々な効果が明らかになり、ノビレチンを活用した商品開発が日本だけでなく世界でも行われてきています。

ノビレチンの認知症に対する効果

ノビレチレンが認知症に対してどのような効果を持つのか、3つの要素を紹介します。

アミロイドβタンパク質の沈着抑制

アルツハイマー型認知症の原因の1つとして、アミロイドβというタンパク質が脳へ沈着するアミロイド斑が挙げられます。ノビレチレンは、このアミロイドβタンパク質の蓄積を抑制する効果があるのです。

海馬のコリン作動性神経の変性・脱落を抑制

アルツハイマー型認知症は脳内の機能障害と関係するというコリン作動性仮説が提唱されています。ノビレチンは、コリン作動性神経の変性・脱落を抑制することにより、記憶障害を改善させる効果があるとの研究結果が出ています。

抗神経変成作用

ノビレチンはアミロイドβタンパク質蓄積の際に現れるタウタンパク質の蓄積を抑えたり、過剰リン酸化の抑制、酸化ストレスの軽減したりすることで記憶障害を改善することが分かっています。また、シグナル細胞情報伝達分子の機能不全を防ぎ活性化させることによるアルツハイマー型認知症予防効果が期待されています。

認知症への臨床試験などのデータ

65歳以上の認知症予備軍を対象に実施

静岡県立大学大学院では、物忘れの症状を自覚する65歳以上108人を対象とした臨床試験を行いました。1日1回ノビレチン30㎎を含む健康補助食品を摂取したところ、偽薬を摂取したグループでは改善が見られなかったのに対し、ノビレチレンを摂取したグループはスコアが9ポイント上昇する結果が得られました。

このため、ある程度認知機能の改善が期待できるとされています。

参考:静岡県立大学 シークヮーサー由来ノビレチン含有食品の認知機能改善効果の可能性をヒト試験で初めて確認
(https://www.u-shizuoka-ken.ac.jp/news/20200702/)

マウスによる臨床試験で記憶障害改善効果を確認

東北大学では、マウスを用いた臨床試験を行いました。アルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドβタンパク質が蓄積する前からノビレチンを体重1㎏あたり10㎎、または50㎎を1日1回投与。その結果、アミロイドβタンパク質の沈着がノビレチンの投与によって50%程度減少したのです。このことから、アミロイドβタンパク質の蓄積予防効果があることが分かりました。

また、神経細胞のモデルとしてラット副腎髄質細胞であるPC12D細胞にノビレチンを処理した臨床試験では、神経細胞突起伸展作用やシグナル細胞情報伝達分子であるERKやCREBの活性化効果が見られました。これにより、ノビレチンが記憶障害の改善効果が示唆されたのです。

参考:東北大学 工学研究科付属 超臨界溶媒工学研究センター 抗認知症機能性食品開発部門 ノビレチンとは(http://www.che.tohoku.ac.jp/~scf/o-scf/nobiletin.html)

含まれている成分/理想的な摂取量

ノビレチンは柑橘類の含まれているフラボノイドの一種ですが、理想的な摂取量については明らかにされていません。ここでは、臨床試験の結果から必要となると思われる摂取量について見ていきます。

ヒトの場合

ヒトによる臨床試験では約30㎎のノビレチンを含む健康補助食品を摂取しています。ノビレチンが豊富に含まれているシークワサー(100gあたりノビレチン含有量267㎎)は小ぶりで1個あたり20g前後となっているため、シークワサー1個を食べる計算となります。

マウスの場合

マウスによる臨床試験では体重1㎏あたり10㎎または50㎎を1日1回投与したとのことから、同量をヒトでも必要とすると体重50㎏で500㎎以上のノビレチン摂取が必要ということになります。

シークワサーで計算すると毎日200g、つまり約10個は食べ続けなければいけない計算となってしまいます。

もちろん、マウスとヒトでは違いがあるでしょう。今後どのような研究が行われていくのか、効果的に摂取する方法はあるのか、注目していきたいですね。

ノビレチンの認知症以外の可能性

ノビレチンはアルツハイマー型認知症予防の他に、様々な効果が期待されています。

糖・脂質代謝調節作用

ノビレチンは脂肪組織や肝臓、筋肉において血中グルコース濃度を低下させ、インスリン抵抗性に関わる因子を抑制する働きがあることが明らかになりました。これにより、糖尿病が改善する効果が期待できます。更に、インスリン分泌を抑える働きがあるアディポネクチンの分泌を促す働きもあり、糖尿病の予防効果も期待できます。

また、肥満マウスによる臨床試験では食欲を抑える働きを持つ血漿中のレプチン濃度を低下させ、脂肪細胞の分化促進、脂肪細胞中の脂肪分解を促進することが明らかになりました。このことから、抗肥満作用・メタボリックシンドロームの予防に役立つと考えられています。

抗がん作用

ノビレチンの抗がん作用に対しては多くの研究が行われています。肺がん、結腸がん、乳がん、肝がん、白血病の各細胞株に対する増殖抑制作用があり、動物実験においても効果が確認されているのです。

また、肥満状況下ではがん細胞の成長を促進するとされていますが、ノビレチンはがん細胞の増殖・血管新生の促進を抑えるだけでなく、がん細胞のアポトーシス減少阻害によるがん組織成長の抑制、マクロファージ増加を抑えることでリンパ転移を抑制するとの意見があります。

このことから、ノビレチンには肥満状況下でもがん細胞の成長と転移を抑える効果があると考えられています。

アレルギー抑制効果

ノビレチンは体内でヒスタミンなどの化学物質放出を抑制する働きがあり、アレルギーを抑える効果が期待されています。

また、牛乳タンパク質であるβラクトグロブリンを一緒に摂取することでより高い効果が得られることも分かりました。

花粉症の症状がある47人に対する臨床試験では、ノビレチンを含む温州みかんとβラクトグロブリンを含むヨーグルトを同時に一週間摂取することにより花粉症の症状が抑制された実証結果も出ています。

抗炎症効果

ノビレチンには慢性炎症抑制に関わるタンパク質を活性化させることによる抗炎症作用があることが報告されています。マウスでは乾癬様の皮膚炎症の抑制、各種炎症性サイトカインや酵素類の発現抑制作用があることが示されています。

抗老化・美白作用

ノビレチンには正常細胞の増殖を活発にする働きがあり、コラーゲンやヒアルロン酸を作り出す線維芽細胞の増殖を促すことでしわ・たるみの予防効果が期待できます

また、紫外線の刺激によるメラニンの生成を促すCOX2や表皮細胞内にメラニンを蓄積させるタンパク質であるPAR2遺伝子を抑制させる働きがノビレチンにはあります。これにより、美白効果が期待できるのです。

慢性リウマチなど生活習慣病の治療・予防効果

ノビレチンの抗がん作用や抗炎症作用により、関節リウマチや変形性関節症、骨粗しょう症などの生活習慣病の治療や予防効果が期待されます。

マウスにシークワサーの濃縮果汁100mlを4週間投与したところ、減少した海綿骨が正常かする傾向が見られた実験データもあります。

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