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ロイシンと認知症予防

必須アミノ酸のひとつであるロイシンについて紹介しています。特徴に加えて期待されている認知症予防に関する情報についてもまとめているので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

認知症予防に効果アリ?ロイシンとは

ロイシンとはアミノ酸のひとつです。たんぱく質を形成しているアミノ酸は20種類ありますが、そのうち9種類は体内で合成できません。このアミノ酸を「必須アミノ酸」は呼ばれ、ロイシンもこの必須アミノ酸に含まれています。

必須アミノ酸のうち、ロイシンとバリン、イソロイシンの3種類は分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれています。BACCは筋肉を組織する主な成分として知られており、筋たんぱく質の合成を促し、さらに分解を抑制するとされています。

他にもロイシンはインスリンの分泌を増やしてブドウ糖を筋肉細胞に取り込むサポートを行い、運動時の持久力を高める・運動後の筋肉の修復・補強を行うなど、さまざまな働きを持っています。

加齢に伴いより必要になるアミノ酸

分岐鎖アミノ酸(BACC)の中でも特に筋たんぱく質を作り出すことに関係しているロイシンですが、年をとるに伴って必要な量が徐々に高まっていくといわれています。

ロイシンの認知症に対する効果

ロイシンを含む7種類のアミノ酸を摂取することによって認知症の進行を抑える可能性があると考えられています。これは、特定の7種類のアミノ酸が脳内の炎症を減らすことによって神経細胞死を防ぎ、神経細胞をつなぐシナプスを保護して脳機能を維持することが研究によって明らかになったためです。

また、同研究では、特定の7種類のアミノ酸が炎症の原因となる物質が脳内に入ることを抑えるという点も報告されています。

認知症への臨床試験などのデータ

特定の7種のアミノ酸が認知症の進行を抑える

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構が味の素株式会社と行った共同研究についてご紹介します。

日々のタンパク質摂取は認知機能を維持するという観点から重要であることが示唆されています。さらに、脳がその機能を発揮するためには神経細胞が連絡を取り合うための神経伝達物質が必要です。この神経伝達物質は、必須アミノ酸をもとに体内で作られていますが、たんぱく質の摂取不足や必須アミノ酸の摂取が脳機能へ及ぼす影響がこれまで明らかになっていませんでした。このことから、認知症モデルマウスを用いることによって必須アミノ酸が脳機能を維持するためにどのように役立つかを解明することを目的として検討が行われています。

これまでの先行研究によって、アミノ酸から構成されるたんぱく質が少ない餌を高齢のマウスに与えたところ、脳内における神経伝達物質の量が低下して記憶や学習能力の低下が見られています。さらに、神経伝達物質の元である必須アミノ酸7種類を摂取することによって、神経伝達物質量は回復し、記憶や学習能力はたんぱく質が多い食事と同じ程度のレベルを維持できることがわかっています。この先行研究で用いた必須アミノ酸組成は味の素株式会社独自に考案したものであり、「Amino LP7」と呼んでいます。

この研究では、脳萎縮を起こすタイプの認知症モデルマウスを用い、Amino LP7を摂取することにより認知機能を維持改善できる仕組みをさらに検討しています。マウスにはAmino LP7を朝夕の1日2回・3ヶ月の間与え、脳の大きさを測定していますが、その結果認知機能低下に関与していると考えられる、神経細胞死によって引き起こされる脳萎縮が抑制されていることがわかったと報告されています。また、低たんぱく食を摂取している中でもAmino LP7の摂取により、脳萎縮が抑制されたこともわかっています。低たんぱく食のみを与えられた認知症モデルマウスは、脳の萎縮が加速することも確認されました。

さらにシナプスレベルでの検討を行ったところ、認知症モデルマウスはAmino LP7を摂取することによって健常マウスと同じ程度シナプスを構成するスパイン11の数を維持可能だったと報告されています。

網羅的遺伝子解析を行ったところ認知症モデルマウスは献上マウスに比べて脳内の炎症が活性化していましたが、Amino LP7を摂取することによって脳内の炎症に関する遺伝子の発現が抑制され、神経細胞活性やスパインに関わる遺伝子の発現が増加していると報告されています。このことから、Amino LP7の摂取による脳改善の改善には、脳内で起こる炎症の改善が関わっていることが示唆されました。

また、なぜAmino LP7がなぜ脳内の炎症を改善するのかという点を明らかにするため、炎症を引き起こす物質キヌレニンに注目して検討が行われました。その結果、認知症モデルマウスでは、Amino LP7を摂取すると脳内キヌレニン濃度の上昇を抑制できることが判明し、Amino LP7によってキヌレニンが脳内へ流入するのを防ぎ、脳萎縮の前段階となる脳内の炎症を抑制することが示されました。

参考文献:国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構プレスリリース|7種のアミノ酸が脳を守り、認知症の進行を抑えることを発見!-脳の炎症性変化を防ぎ、神経細胞死による脳萎縮を抑制
(https://www.qst.go.jp/site/press/20211023.html)

含まれている成分/理想的な摂取量

ロイシンは、必須アミノ酸含有量の高い食品に多く含まれており、たんぱく質必要量に対するロイシンの必要量は39mg/kg体重/日です。とくに動物性たんぱく質に多く含まれており、肉や魚、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品が挙げられます。通常の食事をしていれば、不足することは少ないとされています。

このことから、しっかりとたんぱく質を摂取できる食事を意識すると良いでしょう。

参考:「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」 策定検討会報告書
(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000114399.pdf)

ロイシンの認知症以外の可能性

必須アミノ酸であるロイシンは、認知症に働きかける以外にもさまざまな可能性があると考えられています。

筋肉を強化する

ロイシンは筋肉を強化して、筋肉を失わせないようにする働きを持っています。加えて、インスリン分泌を増加させる作用があることから、ブドウ糖をエネルギーとして筋肉の細胞に取り込むことをサポートするとされています。 このことから、運動トレーニングとともにロイシンを含んだ必須アミノ酸を摂取すると、骨格筋量や運動機能改善に働きかけることが期待されているのです。例えば、高齢者などで問題になっているサルコペニアへの対策としても、筋肉の衰えを予防することが大切と考えられていることから、ロイシンを含むたんぱく質をしっかりと摂取することが必要です。しかし、高齢者は食事料が少なくなりがちであるため、栄養補助食品の利用も推奨されています。

肝機能を高める

肝臓は代謝活動やアルコールの分解、グリコーゲンの代謝や貯蓄など多くの役割を持っていますが、ロイシンの摂取によって肝臓の働きを高めることが期待されています。肝臓はエネルギーの産生と消費を繰り返していることから、大きな負担がかかっていますが、肝臓が疲れると代謝が鈍、肝機能の低下が起こり、全身の疲れにつながることが考えられます。 このことから、ロイシンを摂取すると、肝機能を向上させるとともに体の疲労回復が期待できるとされています。

ストレスを緩和する

ロイシンには脳内で働く神経伝達物質エンドルフィンと同様の働きがあるといわれています。このことから、ストレスを緩和する働きが期待されています

育毛効果

ロイシンはたんぱく質の構成に大きく関わっている成分です。このことから、ロイシンを含む食材を積極的に摂取することにより、髪の毛の健康状態を改善したり、育毛効果が期待できると考えられています。

認知症予防効果で注目される「ヤマブシタケ」とは?

ヤマブシタケとは、認知症を防ぐ効果があるとされるヘリセノンという成分を含むキノコの一種。あの、ホクト株式会社が研究を進めている注目の食材です。その効果や研究結果などについてまとめていますので、こちらもぜひチェックしてみてください。

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