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レシチンと認知症予防

大豆・卵・肉などに含まれるレシチンには、認知症予防への効果が期待されています。ここではレシチンの働きや、認知症に対する臨床データをまとめてみました。

認知症予防に効果アリ?!レシチンとは

レシチンとは、大豆・卵・肉類などに含まれるリン脂質の総称。もともとはリン脂質の一種であるホスファチジルコリンの別名となっていましたが、現在ではホスファチジルコリンが10~20%含まれているリン脂質混合物のことをレシチンと呼んでいます。

細胞膜の主成分

ヒトの体は、全体のおよそ60%が水で構成されています。その体を区切っているのがたんぱく質と脂質からできている「細胞膜」。この細胞膜は、私たちの体を区切っているだけではなく、必要な物質を通して不要な物質は通さないという働きや、体の情報を伝達するという大切な働きも持っています。この細胞膜がきちんと働いているからこそ、毎日を送ることができます。この記事で注目している「レシチン」は、私たちの体に欠かせない細胞膜の主役になっています。

人体の油を取り持つ役目を果たす

人体には油に溶ける脂溶性成分と、水に溶ける水溶性成分の2つが存在していますが、レシチンはこの2つを取り持つ役目を果たしています。脂肪がエネルギーとして利用・貯蔵される際にタンパク質と結合して血中を移動するのですが、このときに脂肪とタンパク質を結びつけるのがレシチン。

そのため、レシチンが不足すると脂肪の利用効率が悪くなり、疲労・不眠・悪玉コレステロールの増加といった症状が現れるのです。

レシチンの認知症に対する効果

レシチンに含まれる成分の中で、認知症予防に重要であるとされる成分がコリンです。コリンは体内でアセチルコリンという物質に変化するのですが、これは脳内の情報伝達に不可欠な神経伝達物質のひとつ。

実は、アセチルコリンが減少すると脳の認知機能が低下することが分かっており、レシチンには認知症予防効果があるのではないかと考えられるようになりました。その結果、開発されたのがコリンエステラーゼ阻害薬です。この薬には、アセチルコリンの分解を防いでアセチルコリン濃度を高めるという作用があり、アルツハイマー型認知症の薬として使用されています。

脂溶性成分と水溶性成分を結合させる作用

レシチンには脂溶性成分と水溶性成分を結合させる作用があります。これは水と油を混ぜ合わせる作用、いわゆる乳化作用です。

この作用には細胞の働きをスムーズにし、老廃物の排出を促して必要な栄養素を取り込む働きがあります。この細胞の老廃物を排出させて若さを保つ働きは、若々しい脳を保つためにも重要であると考えられます。
参考元:健康長寿ネット(https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/lecithin.html)

認知症への臨床試験などのデータ

PS+PAを含むサプリメントが記憶力を改善

これは、ドイツのAnalyze & realize GmbHのMargret I. More氏らによって報告された研究で、2014年のAdvances in Therapy誌オンライン版に掲載されました。この研究は、大豆レシチンより生成されたホスファチジルセリン(PS)100mgとホスファチジン酸(PA)80mgを配合したサプリメントの有用性を検討したものです。

対象としたのは、機能障害・抑うつなどの症状はないが記憶機能に問題のある高齢者。この対象者にPS+PAのサプリメントを1日 3カプセル(300mg PS+240mg PA/日)投与し、偽薬(プラセボ)との効果の違いを比較しました。比較評価したのは、日常機能・メンタルヘルス・感情・自己報告による全身状態などです。

その結果、PS+PAのサプリメントを摂取したグループでは、偽薬のグループに比べて記憶力の有意な改善が認められたとのこと。また、摂取前後の比較でウインターブルーと呼ばれる冬季うつ病の抑制効果も認められたとのことです。
参考元:PMC(https://www.carenet.com/news/general/carenet/39129

含まれている成分/理想的な摂取量

レシチンは1日にどの程度摂取したら良いか気になるところですが、「食事摂取基準2015」では、レシチンの摂取量は定められていないのが現状です。ただし、大豆レシチンは大豆にアレルギーがある方は摂取を控える必要があるといえるでしょう。サプリメントなどを利用する場合には、定められた摂取量を守るようにすることが大切です。

また、レシチンを1日に30g以上など大量に摂取してしまうと、発汗や嘔吐、下痢といった副作用を生じることがあるようですが、一般的な健康食品としての摂取目安量は1日あたり100〜250mgとなっていますので、副作用が起きるほど摂取するのは難しいといえます。ただし、やはり定められた量を守って摂取する必要があるでしょう。

レシチンの認知症以外の可能性

レシチンには、認知症に働きかける以外にもさまざまな働きがあると期待されています。ここでは、動脈硬化の予防や肝機能を高める、脂質代謝を高める、美肌などの働きなどについて見ていくことにしましょう。

動脈硬化の予防

血管が硬くなり、柔軟性がなくなってしまう動脈硬化は、血液中にLDL(悪玉)コレステロールが蓄積してしまうことが原因です。しかし、乳化作用を持つレシチンを摂取することで、血液中にあるコレステロールを溶かしてくれます。このことによって、血管の壁にコレステロールが溜まってしまうのを防ぐことができますし、血液中にあるコレステロールの量をコントロールするため、動脈硬化の予防につなげられると期待されています。

さらにレシチンを多く摂取するとHDL(善玉)コレステロールの量を増やせるため、結果としてLDLコレステロールの量を減らすことができます。

肝臓の機能を高める

また、レシチンの摂取により肝臓機能を高めることも期待されています。これは、レシチンによる細胞膜を活性化する働きによるものです。細胞膜が活性化することで肝臓の細胞も活性化されるため、肝臓の機能を保護するとされています。

例えば、肝臓に脂肪が蓄積されてしまう脂肪肝についても、レシチンを摂取することで脂肪の代謝が上がることによって肝臓の機能も高められるでしょう。

脂質の代謝や美肌

レシチンに含まれているコリンは、肝臓における脂質代謝に必要な成分として知られています。この成分を摂取することにより肝臓への脂肪蓄積を予防できます。

さらに、このコリンはコレステロールを血液中から排泄する働きも持っています。このことから酸素や栄養素が必要な部分に行き渡りやすくなり、結果として肌にも栄養が行き渡り、美肌につながることも期待できます。また、コリンはビタミンを助ける働きがあり、ビタミンAやD・E・Kなどの吸収を助けるという特徴もあります。

認知症予防効果で注目される「ヤマブシタケ」とは?

ヤマブシタケとは、認知症を防ぐ効果があるとされるヘリセノンという成分を含むキノコの一種。あの、ホクト株式会社が研究を進めている注目の食材です。その効果や研究結果などについてまとめていますので、こちらもぜひチェックしてみてください。