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フェルラ酸と認知症予防

米ぬかや玄米などに多く含まれるフェルラ酸には、認知症予防の効果があるとされています。ここではフェルラ酸の脳への働きや、さまざまな研究データをご紹介します。

認知症予防に効果アリ?!フェルラ酸とは

フェルラ酸とは、植物の細胞壁などに含まれるポリフェノールの一種。オーストリアのHlasiwetz Barthらによって1886年に発見された成分で、人間は野菜・果物・穀物といった食品から日常的に摂取しています。

一般的にフェルラ酸の含有量が多いのは、米・大麦・小麦といったイネ科の植物。なかでも生成されていない玄米や全粒粉は、よりフェルラ酸の量が多いとされています。

高い抗酸化作用がある成分

フェルラ酸には高い抗酸化作用があるため、食品や加工品の退色・変色防止や酸化防止のために使用されています。また、紫外線吸収機能が強いことも明らかになっており、しみなどの原因となるメラニン色素の生成を抑えるとして、さまざまな化粧品に配合されています。

フェルラ酸の認知症に対する効果

認知症予防で注目したいフェルラ酸の働きに、高い抗酸化作用が挙げられます。体内で活性酸素が過剰に作られると、体内の抗酸化機能のバランスが崩れて酸化ストレスという状態になります。

この酸化ストレスは、アルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイドβの蓄積を増加させる原因。しかし、高い抗酸化作用を持つフェルラ酸には、酸化ストレスを抑えてアミロイドβの蓄積を抑制する働きが認められています。このことから、フェルラ酸は認知症予防効果のある成分として注目されているのです。

認知症への臨床試験などのデータ

フェルラ酸含有サプリで軽度認知障害が改善

これは東京の森山脳神経センター病院が報告した研究結果です。この研究では、フェルラ酸とガーデンアンゼリカを主成分とするサプリメントを、軽度認知障害と診断された67~85歳の40人に投与。

その結果、フェルラ酸を含むサプリを飲んでいたグループは、偽薬を投与されていたグループに比べて認知機能の改善効果が見られたとのことです。

参考元:西日本新聞(https://www.nishinippon.co.jp/item/o/645131/)

フェルラ酸を含むサプリで認知機能の低下が緩和

これは、株式会社ファンケルならびに医療法人順神会ばんどうクリニックが行った研究です。フェルラ酸・イチョウ葉エキス・ビタミンCなどが含まれるサプリメントを軽度認知障害を持つ高齢者に6か月間投与したところ、認知機能の低下が緩和されたとのこと。

この研究結果については、2018年の日本認知症予防学会誌に掲載されています。

石井有理ら: 日本認知症予防学会誌 2018; 8: 2-13
参考元:おいしい大麦研究所(https://www.hakubaku.co.jp/omugi-lab/maintenance/ferulic-acid/)、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科脳神経内科学講座(https://www.okayama-u.ac.jp/user/med/shinkeinaika/_DSCMKEN/index.html)

フェルラ酸の認知症以外の可能性

ここでは、フェルラ酸の認知症以外の可能性についてご紹介します。例えば、高血圧予防や皮膚の光ダメージの軽減、美肌への作用、高血圧症改善のサポートなど、さまざまな働きが期待されていますので、それぞれについてご紹介していきます。

高血圧を予防する効果にも期待

また、フェルラ酸には高血圧を予防する効果も期待されています。とある実験ではラットにフェルラ酸を投与したところ、ラットの血圧が有意に降下したとのこと。ただし、ヒトに同様の効果があるとは限りません。

また、善玉コレステロールを活性化して悪玉コレステロールの増加を防ぐ効果も報告されているため、認知症と関連が深い動脈硬化の予防効果も期待できます。

皮膚の光ダメージを軽減する可能性

フェルラ酸は、光によるダメージを最小限に抑える働き(=光防護作用)を持っているといわれています。これはビタミンCをはじめとする抗酸化成分とうまく機能する傾向があるためです。ビタミンC自体は日光に晒されるとすぐに劣化するように、不安定な構造である点が特徴の成分。しかしフェルラ酸はビタミンCを安定させる働きを持っているため、光によって皮膚が受けるダメージを軽減できると考えられているのです。

これまでに行われてきたフェルラ酸の研究の中には、ビタミンCとEをフェルラ酸と組み合わせることによって2倍の光防護作用を発揮する可能性がある、としているものもありますが、この効果はまだ完全に解明されていない状態でもありますので、今後の研究結果が待たれます。いずれにしても、フェルラ酸の美容液をビタミンCなどの抗酸化成分と組み合わせることによって、光によって及ぼされるダメージから肌を守ってくれることが期待されています。

美容への期待

フェルラ酸は、美容に関してもさまざまな働きが期待されています。フェルラ酸は、アミノ酸の一種である「チロシン」に似た構造となっている点が特徴のひとつです。美白に作用するメラニンの生成抑制作用はチロシンとの拮抗作用であることから、構造が似ているフェルラ酸も同じような働きを持っていると考えられています。このように、メラニンの生成抑制作用を持つことからシミやシワの予防につながるため、美白が期待できることに加えて、紫外線の吸収性も持つとされています。

このような働きから、肌が色素沈着を起こしてしまうことを防ぎ、透明感のある肌に導くことが期待されていることから、フェルラ酸は日焼け止めなどに配合されている成分となっています。

高血圧症改善へのサポート

フェルラ酸は高血圧症改善が期待できるとされています。高血圧症のラットにフェルラ酸を経口投与して血圧を観察するという実験によると、フェルラ酸50mg/kgを投与した結果、1時間後には収縮期血圧が最低となり、6時間後に初期値まで回復したという結果が出ています。さらに、高血圧ラットの血漿中のフェルラ酸濃度と、尾動脈収縮期血圧の低下率には優位な相関を認めたことから、投与したフェルラ酸が血圧の低下に関与しているという可能性が示唆されています。

さらに、東北大学の発表によると、「米糠由来の有効成分のうち、γ-オリザノール、フェルラ酸、トコトリエノールは、血清コレステロール低下作用、血管新生抑制作用、抗腫瘍作用、高血圧症改善作用などを有する。」としていることからも、フェルラ酸には高血圧改善の作用があることが期待できるといえるのではないでしょうか。

認知症予防効果で注目される「ヤマブシタケ」とは?

ヤマブシタケとは、認知症を防ぐ効果があるとされるヘリセノンという成分を含むキノコの一種。あの、ホクト株式会社が研究を進めている注目の食材です。その効果や研究結果などについてまとめていますので、こちらもぜひチェックしてみてください。