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認知症予防とEPAの関係とは?

青魚に豊富に含まれる成分として知られるEPA。健康に良いとは分かっていても、実際にどんな機能を持っているのか、具体的に知っている方は少ないのではないでしょうか。

ここでは、EPAの基礎知識を解説しながら、EPAの持つ効果や機能性、認知症予防に効果を発揮する可能性について、研究データや参考になるエビデンスをもとに考察していきます。

認知症予防に効果アリ?EPAとは

EPAは、「エイコサペンタエン酸」の略称。体内でほとんど作ることのできない、必須脂肪酸(n-3系脂肪酸)の一種です。

イワシやさば、アジなどの青魚に多く含まれており、健康に対するさまざまな効果があるとして研究が続けられています。

これまでに、体内の免疫反応の調整によるアレルギー疾患、高血圧、動脈硬化、脂質異常症、脳卒中、心筋梗塞、抗炎症効果など、多くの症状の予防・改善が期待できると言われてきました。

これらの疾患に対する機能から、生活習慣病の予防に役立つとして、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品が多く市販されています。

体内でつくれない

EPAを含む必須脂肪酸は、体内でつくることのできない成分のため、青魚やシソ油、亜麻仁油などの食品から摂取する必要があります。

酸化しやすい性質を持っているので、新鮮な状態でなくては上手く摂り入れられません。魚なら新鮮な魚や旬の魚に多く含まれているため、なるべく旬の魚を新鮮なうちに摂取しましょう。

しかし、近年は、日本人の魚離れが進んでおり、「毎日魚を食べる」人が少なくなっている傾向です。

あまり魚を食べる機会がない、アレルギーなどの事情により食べられないという方は、EPAを抽出したサプリメントで補うと効率的と言えます。

心筋梗塞のリスクを軽減

EPAの研究が進むきっかけになったのが、1960年代のイヌイットに対する調査と言われています。

イヌイットは、アザラシの肉や魚を主食とする民族です。

調査によると、牛や豚、羊などの肉を主に食しているヨーロッパ人よりも、野菜をほとんど食べず、魚やアザラシなどを主食にしているイヌイットのほうが、心筋梗塞で亡くなる例が少ないと分かりました。

調べてみると、原因はイヌイットが日常的に口にするアザラシでした。アザラシが食べている魚の影響で、アザラシの体内にはEPAが豊富に含まれています。そして、EPAを多く含んだアザラシを食べることで、イヌイットは自然にEPAを補えているのではないかと考えられています。

実際に、アザラシを主食にするイヌイットの血液には、ヨーロッパ人よりも多くのEPAが含まれていました。

この研究データから、EPAを多く摂取することによって、心筋梗塞のリスクを軽減する可能性が示唆されています。

参照元:サラサラ生活向上委員会|ニッスイ「EPAとは?」(https://www.sara2.jp/epa/)

EPAの認知症に対する効果

中性脂肪値を下げる、心臓病・脳梗塞を防ぐ、動脈硬化を防ぐなど、多くの効果が期待できるEPA。最近では、認知症に対する予防効果にも期待が高まっています。

しかし、アメリカのアイオワ大学の研究によると、EPAやDHAなどの必須脂肪酸を摂取するだけでは認知症の予防にならないという見解も発表されました。

ただし、後述するEPAが与える体内の影響によって、認知症が改善傾向に好転したり予防につながったりする可能性はゼロではありません。

参照元:Medical Tribune「DHAやEPAは認知症を予防しない―米研究」(https://medical-tribune.co.jp/kenko100/articles/131007527822/)
PubMed「ω-3 fatty acids and domain-specific cognitive aging: secondary analyses of data from WHISCA」(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24068783/)

血流サラサラ効果が好影響をもたらす

EPAには、血液をサラサラにして体内で循環しやすくする効果があります。この血液サラサラの効果が、結果的に脳に対しても良い影響を与えるのではないか、と考えられています。

EPAが動脈硬化を防ぐことによって脳の血栓症や脳梗塞、脳出血を原因として発症する「血管性認知症」の予防につながります。

脳神経細胞膜の機能を高める

EPAには、脳神経の細胞の機能を高める効果もあります。アドレナリンやドーパミンなど、脳に情報を伝える物質がスムーズに働くようになり、結果として認知症やアルツハイマー病の改善につながる可能性があります。

認知症への臨床試験などのデータ

2021年9月現在におけるEPAの認知症に関する分野の研究では、「EPAが認知症や記憶力を改善する」という研究と「EPAは認知症に有効ではない」という2つの見解があり、どちらが正しいかを証明する明確な根拠は、まだ示されていません。

ただし、EPAが血液や脳に何らかの好影響を与え、認知症を予防する可能性はあると考えられています。

今後さらに研究が進めば、EPAを活用した認知症の治療薬や予防薬が開発される日が訪れるかもしれません。

含まれている成分/理想的な摂取量

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、EPAを含むn-3 系脂肪酸全体の摂取量の目安は、60代男性で1日2.2g、女性は1.9~2.0gです。

この目安量はEPAだけではなく、DHAやα-リノレン酸など、他の成分も含む数値です。EPAだけで2g以上と考えず、1gほど摂れれば適量と考えて良いでしょう。

n-3系脂肪酸は体内で合成できず、他の脂肪酸からも合成できないため、積極的に摂りたいところです。

厚生労働省の定めでは、EPAの上限量についてはとくに設定されていないため、通常の食事に加えてサプリメントで補っても安全性は高く、多めに摂取したからといって、からだに重大な悪影響を及ぼすことは考えにくいでしょう。

ただし、過剰に摂取すると血圧が下がったり血液が固まりにくくなったりするおそれがあります。

EPAをサプリメントで補おうと考えていて、かつ、血液をサラサラにする薬や降圧剤を服用している方は、サプリメントを飲む前に必ず医師に相談してください。

参照元:[PDF]厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)(https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf)

EPAの認知症以外の可能性

EPAには、感情を緩和させて情緒を安定させる機能があるとされています。うつ病などのメンタル面の疾患の改善・予防につながる可能性があるのです。

また、「やる気が起こらない」「外出するのがおっくう」など、認知症の人に見られる一部の症状に対しても、改善や予防への期待が寄せられています。

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