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認知症予防とDHAの関係とは?

DHAを摂取すると記憶力向上や学習に効果的なイメージがありますが、実際のところはどうなのか気になる方も少なくないと思います。また、認知症の記憶力低下に対しても効果があらわれるのでしょうか。

ここでは、DHAが身体にもたらす効果や認知症予防に対する効果の可能性について、研究結果をもとにひもといていきます。

認知症予防に効果アリ?DHAとは

DHAは、マグロやさばなどの魚の脂に多く含まれる不飽和脂肪酸のひとつ。正式な名称は「ドコサヘキサエン酸」です。DHAはα-リノレン酸からつくられており、そのα-リノレン酸は植物プランクトンに多く含まれます。植物プランクトンを餌にする魚介類に、DHAが多く含まれているのはそのためです。

牛や豚などの動物の脂は常温で固まってしまいますが、DHAは冷たい海に住む魚に含まれるため、低温に強い性質を持っています。温度が低くても固まらず、-40℃の状態でも液体を維持するほどです。

DHAを代表する不飽和脂肪酸は、脳内にも入ることができる種類の物質です。脳の神経組織にある細胞を活性化させ、記憶力や学習能力を高める働きをします。

また、DHAには血中脂質を低下させる働きもあります。2004年には、心筋梗塞などの冠動脈心疾患の危険性を下げることが、アメリカ食品医薬品局 (FDA)にも認められました。

体内ではつくれない成分

DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸は、人間の体内でつくることができません。そのため、魚介類や植物油などの食品から摂取する必要ことが必要です。

DHAのもとであるα-リノレン酸は、えごま油やなたね油、大豆油などにも含まれており、体内でDHAに作り替えられることがあります。新鮮な魚からDHAを摂取できない場合には、これら植物油を摂ることでも補えます。

DHAの認知症に対する効果

記憶力や学習能力を高める効果で知られているDHAですが、積極的に摂取することで認知症の記憶障害などが改善することはあるのでしょうか。

ここからは、DHAの認知症に対する効果について詳しくまとめています。

血管を保護して発症を防ぐ可能性

DHAには脳の血流を改善する効果があり、動脈硬化や脳血栓を防いでくれます。

そのため、脳の血管が詰まったり脳細胞が死んだりすることで起こる「脳血管性認知症」の予防につながる可能性があるのです。

また、初診のアルツハイマー型認知症の患者を対象に行った国内の研究では、アルツハイマー型認知症の患者は平均で2つ以上の内科疾患を合併しており、そのうちの42%に高血圧の症状が見られたことが報告されています。

DHAは血圧を下げる作用も持っているため、認知症の発症や進行に大きく関わるとされる高血圧の予防にもつながるでしょう。

精神面に対する影響

熊本大学の研究によると、うつ病や統合失調症を患っている人は、脳や脊髄液中で、LPAの一種である「LPA-ドコサヘキサエン酸(LPA-DHA)」が大きく低下していることが発見されました。

また、お年寄りや子供を対象にした研究によると、DHAを摂取すると攻撃性がなくなり、長時間にわたってメンタルが安定的になることが報告されています。

今後、認知症に見られるうつ症状や精神性疾患の進行予防に、DHAを利用した治療薬などが登場する日が来るかもしれません。

参照元:国立精神・神経医療研究センター「うつ病患者のリゾリン脂質代謝異常を発見」(https://www.ncnp.go.jp/topics/2021/20210903p.html)
かい内科クリニック「高血圧と認知症」(https://kai-clinic.net/explanation/high07/)

認知症への臨床試験などのデータ

アルツハイマー型認知症の人にDHAを半年間摂取してもらったところ、計算力や判断力が高まったという結果が報告されています。

これは、DHAが萎縮した神経細胞を修復して、生き残った神経細胞の働きを助けたのではないか、と考えられています。

また、DHAと魚介類の摂取レベルによってグループ分けした参加者が、約15年後に軽度認知障害、および認知症と診断されるかの割合を調べた研究では、DHAの摂取量が多いグループほどリスクの低下が見られ、また、魚介類を多く摂取しているグループにも認知症リスクの低下が見られました。

この調査から、DHAや魚を日常的に多く摂取している人は、将来的に認知症になりにくいということが考えられます。

認知症の予防や進行を抑制する効果については、まだ世界中で研究が進められている段階で、評価が定まっているわけではありません。

ただし、今後このような研究が進めば、DHAの効果を応用した治療薬の開発やさらに効果的な予防法が見つかる可能性は大いにあると言えます。

参照元:わかさ生活(https://himitsu.wakasa.jp/contents/dha/)
国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ(https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8650.html)

含まれている成分/理想的な摂取量

厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」で定められているDHAなどの「n-3 系脂肪酸」の摂取目安量は、60代の男性で1日およそ2.2g、女性は約1.9~2.0gです。

しかし、これはDHAだけではなく、EPAやα-リノレン酸などの他のn-3 系脂肪酸も含んだ目安量です。DHAだけで2gと考えず、1gほど摂れば適切と考えると良いでしょう。

厚生労働省の基準ではとくに上限量は設けられていないため、通常の食事に加えてサプリメントで補ったからといって、からだに大きな影響を及ぼす可能性は低いです。

ただし、DHAは血圧を低下させる可能性や血糖値を上昇させるおそれも。

降圧剤を服用している方や糖尿病の治療薬を飲んでいる方は、薬が効きすぎたり効果が弱まったりする可能性があります。

持病があり、サプリメントなどでDHAを補いたい場合には自己判断で摂取せず、飲む前には必ず医師に相談をするようにしてください。

参照元:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html)

DHAの認知症以外の可能性

ヒトの目の網膜には、DHAを含む脂肪酸が多く含まれていて、体内で不足すると視力の低下を招くことが分かっています。

また、DHAを積極的に摂取したら動体視力や近視が改善したといった報告も多く寄せられており、視力改善や眼病予防に役立つ可能性が注目されています。

ちなみに、マグロの目の裏のゼリー状の部分(眼窩脂肪)にも、多くのDHAが含まれています。脂がのった旬のカブト煮で、美味しく目をケアしてみるのも良いかもしれません。

認知症予防効果で注目される「ヤマブシタケ」とは?

ヤマブシタケとは、認知症を防ぐ効果があるとされるヘリセノンという成分を含むキノコの一種。あの、ホクト株式会社が研究を進めている注目の食材です。その効果や研究結果などについてまとめていますので、こちらもぜひチェックしてみてください。

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