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昔はなかった「認知症」という呼称

「認知症」という言葉は今は一般的なものとなっていますが、以前は「認知症」という言葉はありませんでした。そこでこの記事ではいつから認知症という呼称が使われるようになったのか、またなぜこの呼称が使われるようになったのかといったことについて紹介します。また、認知症患者さんへはどのように接したら良いのか、という点についてもまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

昔の人

認知症は2004年から使用されるようになった

今では日常的に耳にする「認知症」という呼称ですが、実はこれは昔から使われてきたものではありません。この呼称が使われはじめたのは2004年のこと。まずは行政分野や高齢者介護分野において認知症という呼称が使い始められ、それぞれの医学会において2007年ごろまでにほぼ言い換えが行われています。

その後、「認知症」という呼称が広がり、今では一般的に使用されるようになっています。

それまでの認知症の呼称について

「認知症」という呼称が使い始められた2004年より前は、「痴呆症」という呼称が使われていました。当時厚生労働省にて医療・福祉などの専門家を中心とした「「痴呆」に替わる用語に関する検討会」が設置されたことにより、認知症へ呼称変更することが決められました。

認知症という言葉が生まれた背景

ではなぜ、「認知症」という呼称が使われるようになったのでしょうか。厚生労働省のホームページによると、それまで使われていた「痴呆」という呼称の問題点として下記の内容が挙げられています。

このような背景から、新しい呼称を決定する上で国民投票が行われました。その中では「認知障害」がトップであったものの、すでに使用されていた医学上の「認知障害」と区別ができなくなるという理由でこの呼称への変更は見送られています。

2004年12月24日、「「痴呆」に替わる用語に関する検討会報告書」がまとめられ、厚生労働省老健局は行政用語を変更。自治体や関係学会などに「認知症」という呼称を使用することについての協力依頼の通知が出されています。

その後、日本老年精神医学会が「認知症」を正式な学術用語を定めており、関係する40学会にその旨を通知。現在ではかつて使われていた「痴呆」という呼称は使われておらず、「認知症」と言い換えられています。

認知症の症状自体は昔から認知されていた

現在使われている「認知症」という言葉が一般的に使用される以前から、症状そのものは昔から認知されていました。この概念は、古来から「呆ける、惚ける、耄ける(ぼける、ほける、ほうける)」といった言葉で表されており、平安時代以降の文学などにおいても記載が見られます。

江戸時代には、「老化による衰え」といった意味を含んだ「耄碌(もうろく)」という言葉が一般的に使用されるようになりました。この言葉については、時代劇などのセリフで耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

また、医学用語としては、江戸時代の末期から明治の初期にかけて多くの西洋医学用語の翻訳が行われていますが、ドイツ語の「dementia」については日本語訳がなかなか一定しなかったという歴史があります。その後、1908年には東京帝国大学精神病学講座の呉秀三教授が「痴呆」という呼称を提唱し、一般化したとされています。

認知症患者との接し方について

認知症は病気のひとつです。そのため、認知症の患者さんに接する際にはまず病気についての知識と理解を深めることが必要と言えるでしょう。その中で、患者さんが安心して普通に生活が送れるようにサポートをしていきます。

この中で大切なのは、認知症患者さん自身の尊厳や主体性を侵害しないことです。さらに、患者さんの感情は保持された状態ですので、強制や命令、叱責は無意味であり、逆に家族への反発が大きくなったり、自信を失ってしまうことで認知症の悪化が見られる可能性もあります。

認知症患者さん自身は認知症の自覚がないというイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし、認知症を発症した方の多くは、自身の認知機能に異変が起きていることに気づいていると考えられています。このようなことから、患者さん本人も不安を感じているということは念頭においておくことが必要です。

認知症の方に接する際には、「寄りそう」ことが大切だといわれています。しかし、家族が認知症を発症したなどの場合、介護を行う人もストレスをうまく発散していくことも必要です。そんな時にはデイサービスやデイケア、ショートステイなどを利用することも考えていくと良いでしょう。

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